#20 就職活動報告 Vol.2  色んな人に会うこと、就職活動を楽しむこと 04.12.14up

双葉社に内定した上智大学4年生の森広太さんの就職活動レポートです。

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大学一年の時から新聞社の編集アシスタントをやっていた。漠然とではあるが、「働くならマスコミで」という気持ちはあった。就職活動を始める時には、「週刊誌の編集者になろうと」心に決めていた。昔から週刊誌が好きだった。浪人時代に「桶川ストーカー殺人事件」があり、その当時、親父が購読していた今は亡き『FOCUS』に夢中になった。週刊誌の記者が警察より早く犯人を割り出してしまう衝撃的な内容にはまったのが浪人生の頃。週刊誌でも大メディアに劣らない報道ができることを知った。「週刊誌って面白いじゃん」と思い、それ以降愛読するようになった。。新聞社でアシスタントをしている時も、暇さえあれば週刊誌を読んでいた。できれば、総合週刊誌を発行している出版社に内定をもらいたいと思いながら就活をしていた。

就職活動を始めたのは比較的遅かった。友人たちは年末くらいから活動しだしていたが、私は年明けから始めた。というか、それまでは進路なんて本気で考えていなかった。会社まわりをしたり、マスコミ塾に通ったりはしなかった。とにかく就職活動でやったことは、「人に会うこと」に尽きる。現役の編集者・新聞記者、内定者など、何十人と会った。実際に現場の人間に会ってどんな会社で、どんな仕事をするのか、できる限り情報を集めた。それと同時に、誰かに会いに行く時は必ず自分の自己紹介書と会う人の会社の志望動機を文章にして添削してもらった。自分の考えを駄目だしてもらい、エントリーシートや作文を添削してもらった。本番の面接までとにかく多くの人に会いに行き、自分を面接で成功するように理論武装をしていった。今思えば、この行動が一番役に立ったと思う。私は大の酒好きで、編集者の人も結構酒好きが多かったので、何よりも楽しかった(笑)。少なくとも、30人以上のマスコミ人に会った。どうしても集英社の人に知り合いがいなくて、友達と二人で神保町の集英社の社員出口で社員の人に声をかけて、まったく初対面の人に話を聞かせてもらったこともあった。
OB訪問と同時に、筆記試験の勉強もけっこうやった。SPIが苦手なので受験勉強ほどではないがちゃんと勉強したし、漢字もマスコミ試験用のものをしっかりやった。出版社は特に書類と筆記で8割近くは絞る。「しっかりやった方がよい」と内定者にもアドバイスをもらっていたので、手は抜かず対策をやった。他には、週活仲間と勉強会を週一回くらいやっていた。エントリーシートや作文の添削をしあったり、模擬面接をしたり、自分の将来像について朝まで語り合ったり、ライバル同士で切磋琢磨しあった。今でもその当時の仲間は仲がいい。大手出版社、テレビ局、編集プロダクション、新聞社内定者などいて、今となっては良い仲間に恵まれたと思っている。

出版社は受けられる限り応募し、あとは全国紙の新聞社を3社受けた。双葉社、講談社、集英社、小学館、文芸春秋、新潮社、角川書店、河出書房新社、中央公論新社、日経ホーム社、日経BP、早川書房、岩波書店、光文社、ぴあ、宣伝会議、KKベストセラーズ、東京ニュース通信社、青弓社、アーク、朝日新聞社、毎日新聞社、日本経済新聞社など受験した。
三月末から、四月にかけて採用試験のピークだった。書類選考や筆記試験で落ちたところも結構あった。中でも集英社の書類選考で落ちたのは、「何で?」と思った。まあ、仕方ないと諦めた。その後、小学館、新潮社と最終面接までいって落とされ、講談社も三次面接で落とされた。特に新潮社のノンフィクションは好きな本もたくさんあり、週刊新潮の連載「黒い報告書」が大好きな私としては一番行きたい会社だった。何人かの新潮社の編集者と会ったが、気の合う人が多かったので残念だった。新潮社の面接が二次面接までは結構面白かった。フランクな新潮社の編集者たちに好感を覚えた。一次面接は、若手二人組みとの面接だった。面接官が私のエントリーシートを見た瞬間笑ったので、非常に雰囲気の良い面接となった。「お酒、そんなに好きなの?」とか聞かれて、私の「お酒うんちく」を熱弁すると、面接官二人とも爆笑だった。二次面接では編集長クラスとの面接とグループディスカッションだった。グループディスカッションのテーマは「私の好きな書店」だった。時間は20分で結構話は盛り上がった。編集長クラスとの面接では、「週刊新潮に配属されたら何を担当したいか」「新潮社の本についてどう思うか」など聞かれた。質問の中で一番盛り上がったのは私の趣味についてだった。エントリーシートに「刑事裁判傍聴」と書いたので、かなり突っ込まれた。当時、公判中だったスーパーフリー裁判と千葉16歳少女殺人事件について熱弁したら面接官の反応が良かった。両事件とも『新潮45』と『週刊新潮』で詳しく取り上げていたこともあり話は弾んだ。最後に、一番年配の面接官に「どうやった美味しいビールを注げるようになれるか」と私が昔バーのアルバイトをしていた時に受賞した「サントリービールを美味しく注げる賞」について聞かれ、お酒の話で笑いをとって面接は終わった。面接時間30分はあっという間だった。しかし、最後の三次面接は書くことが思いつかないくらい、盛り上がらない面接だった。内容は二次面接と一ほぼ一緒だったが、全然役員たちの反応がなかった。結果は予想したとおり落選。

大体、大手の試験が終わったのが5月くらいだった。当時、大学の「編集論」で教わっていた元木昌彦先生に会う度に「どうだった」と聞かれ、「駄目でした。でも次があります!」と何回も問答をした。しかし、私は面接で何社落ちてもあんまり落ち込まなかった。大手の日程が終了した時、さすがに少しだけネガティブになったが、新宿ゴールデン街界隈で友達と死ぬほど酒を飲んで、終わったことは二日酔いと共に、2日後には忘れてた。そして、出版社の全日程が終了するまで、とにかく楽しくやろうと心に決めた。
四月からはジュンク堂の「編集者の学校」にも通うようになり、編集者やライターなどいろんな人に会うのが楽しくて仕方なかった。面接に行くときも、「今日はどんな人が面接官かな」と考え、わくわくしながら行った。就活中にいろんな人に会っていたので、面接はそんなに緊張することはなかった。とはいえ役員が全員集合するような最終面接ではさすがに少しは緊張した。

5月末くらいから中堅出版社の採用が始まり何社か受けていた。その中で双葉社の採用があった。元々、双葉社は『週刊大衆』と『漫画アクション』くらいしか知らなかったが、『週刊大衆』を希望して応募した。書類選考の後、一次試験(筆記試験とグループ面接)、二次面接、最終面接だった。一次のグループ面接では5人中2人が欠席して、三人だったので持ち時間が長くなった。余った時間で面接官の一人がワニ口クリップを学生に渡して「この商品を売る側の気持ちになって、PRしてください」というユニークなプレゼンの時間を与えられた。他の男子学生は下ネタでPRし、私は体を張り、体毛を抜いてクリップを面白おかしくPRした。面接官も受験者を大笑いの面接になった。後日、二次面接の案内が来た。やっぱり、楽しく感じた面接は通るものだった。二次面接は、内容の濃い面接だった。「今の出版不況をどう思うか」「週刊大衆はけっこうきついけどやっていけるか」などと矢継ぎ早に質問が来る。二次面接で運が良かったのは、その週の『週刊大衆』が「スーパーフリー裁判」の特集記事を載せていたことだった。ちょうどエントリーシートに「スーフリ」の裁判を見に行っていることを書いたので話題がマッチした。自分が目で見たスーフリの学生について思う限りを述べた。その当時、『週刊大衆』以外に事件のことは扱っていなかったので、『週刊大衆』が特集したことを私が褒めると、面接官が嬉しそうだった。後半からは面接官が私の話に聞き入っているのがわかったので、「もらった」と思った。この二次面接は今まで受けた面接より充実していた。「この会社に行きたい」と思った。最終面接は役員7人くらいが「コ」の字形になって座っていて、一人真ん中に座って見つめられる最も緊張する形式だった。まず「どんな会社を受けたか」を聞かれ、それを説明した。「なんで、大手出版社を落ちたと思う」と率直な質問をされた。大手を落ちたことに対しては自分でも理由はあまりわからなかったので、「顔が役員のオッサン達には気に入られなかった。顔のせいです!」と冗談で答えると、笑ってくれたので一安心して、緊張もほぐれた。その後は、志望動機や学生生活を細かに聞かれたが、終始反応も良かった。終わった後に言いたいことは全部言えたと思ったので、あとは結果を祈るのみだった。

次の日、双葉社から内定通知をもらった。非常に嬉しかった。その頃同時に受けていた他の出版社より双葉社に行きたかったので、即答で「ありがとうございます。行きます」と電話で言った。その日は、また死ぬほど酒を飲んだ。人生でも数えるくらいの美味い酒だったと思う。

就職活動をやって思っていたのは「諦めなければどっかが拾ってくれる。運もあるし、楽しくやろう」ということだった。出版社は特に倍率だけでもそうとう厳しいし、かなりの切れ者も受験する。難関な業界の就職活動だが、できる限り自分の信じたことをやるしかないと思う。人それぞれやり方はあるし、正しいやり方なんてものはないと思う。決まる人は三月末には簡単に内定もらっているし、私のように他の会社の採用がほとんど終わったあとにやっと、拾ってくれる会社があった人間もいる。これから就職活動をする学生にアドバイスらしいことは言えないが、あえて月並みな言い方をすれば「自分ができる限りのことをやる。そして諦めない」それだけである。私にとって就職活動の「できる限り」は、色んな人に会うこと、就職活動を楽しむこと、それに尽きると思う。


#19 就職活動報告 Vol.1 自分だけのマニュアルを作ろう! 03.10.01up

 本企画参加者から就職活動報告が届きました。「自分だけのマニュアルを作りながらやることが成功の鍵」 「前向きに、あきらめない気持ちを大切に笑顔で活動してほしい」など就職活動に真剣に取り組んだ人だから書ける力強いメッセージが詰まっています。もうすぐスタートする2004年度の就職活動生は必見です!!

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就職活動記録

 高校生の時に「新聞記者になりたい」と言った時、担任の先生は「僕はそれが君にぴったりだと思う」といってくれた。その時から私は記者になると決めていた。
大学に入って、部活のマネージャー業のかたわら、ゼミでは講演会とインタビューを中心に活動していた。それがとても楽しかった。だから、私は記者と編集者を目指した就職活動を行った。
 私の就職活動は、11月30日に始まった。TBSのアナウンサー試験が私の初面接。他にテレビ朝日、フジテレビ、日本テレビ、大阪ABC放送、東海テレビをアナウンサーで受けた。全敗した。

 1月19日、日本テレビ筆記試験。1月26日、フジテレビ筆記試験。筆記対策をしていない私が通るわけがない。

 2月、3月に大阪ABCテレビ、中京テレビ、テレビ朝日、東海テレビ、毎日放送、集英社、ベネッセコーポレーション、講談社、関西テレビ、NHK、TBS、文芸春秋社、角川書店、朝日新聞社、毎日新聞社、共同通信社にエントリー。テレビ朝日とベネッセコーポレーション、集英社はエントリーシートで落とされたが、他はすべて面接か筆記試験まで進むことができた。また、この時期にOB訪問を熱心に行った。自分が憧れている仕事についている人達はどのような就職活動をしたのか、どのような仕事をしているのか、直に聞いて、肌で感じることでさらにやる気が出てきた。また、大学の友人とよく飲みにいっては、自己分析をしたり、エントリーシートを見せあったりした。人と会話することで、言葉が見つかる。そして、何度も自己PRや志望動機を書き直し、具体的に掘り下げていく。「自分にしかないことを書く」。このコツを身につけ、通るエントリーシートが完成した。
 しかし、テレビ局はエントリーが通過しても筆記試験で落とされる。テレビ局の筆記試験すら通過できない私が、新聞社や出版社の筆記試験を通過できるのか? まず私がするべきことは、筆記試験を通過するための勉強をすることだと思った。だから、1週間実家に帰って勉強した。12月、1月のニュースを中心に、テレビ局の筆記試験で出た問題を新聞ダイジェストや朝日キーワードでチェックし、漢字や慣用句の意味を集中的に覚えた。自分の目標はNHK、朝日新聞、講談社。あとは運と縁だ。

 3月29日、講談社筆記試験。SPIと雑学問題。普段からどんなことにも興味を持っていなければ解けない問題ばかりだった。

 4月5日、NHK一次面接。

 4月6日、午前NHKの筆記試験、午後朝日新聞社の筆記試験。NHKの試験が終わってすぐ朝日新聞社の試験に移動。朝日新聞社の問題は難しく途中で寝てしまいそうになった。論文は「私の考える不況脱出策」。「論文とは事実を積み重ねて書くことだ」という大原則を実践しながら必死に書いた。あまりに手応えがなかったので、帰り道悲しくて悲しくて仕方なかった。落ちたと思っていたが、通過。テレビ全敗でまさか朝日新聞の筆記に通るなんて……と信じられなかった。

 4月10日、講談社一次面接。面接官3:学生1の面接。「好きなノンフィクション作家は誰か」という質問に、自信を持って答えられなかった。出版社を受けるにあたって好きなジャンルと作家、その人の作品はきちんと読んでおくべきだと思った。結果はやはり通過できず。

 4月11日、朝日新聞社一次面接。面接官3:学生1の面接。45分くらい行った。聞かれたことは「学生時代一番力を入れた事は何か」。部活とゼミの話をした。考える間もなく次々に来る質問に、私が今まで言葉にできなかった選手への思いや講演会を主催する側のつらさを私から引き出してくれた。それが嬉しくて、私は朝日新聞社に行きたいと本気で思った。期待はしていなかったが通過する。

 4月16日、NHK二次面接。集合場所を間違え5分遅刻した。面接はエントリーシートからの質問だった。しかし、志望動機を言ったとき「別にそれはNHKじゃなくてもできるよね」と言われた。大学時代にしてきたことで挽回しようとゼミの講演会の話をするが、その時、私のかばんの中に入っていた講演会録は朝日新聞社のもの。自分で自分の首をしめてしまった面接に、帰り道の記憶がない。渋谷駅でケーキを食べて、2時間考え込んだが、いつまでも落ち込んではいられない。私には朝日新聞社があると気合を入れなおした。

 4月18日、朝日新聞社2次選考。午前にグループディディスカッション、午後から模擬取材、面接を行う。グループディスカッションのテーマは「編集会議」。新聞の1面にどのニュースを持ってくるか議論した。ディスカッションが苦手な私は、何かしゃべらなきゃと必死だった。午後からの模擬取材では、面接官の一人にインタビューをして「ひと」の記事を書いた。5分の集団記者会見、5分の個別インタビューを行い、800字程度の記事を書く。私は記者じゃないから、完璧なものは書けないし、そんなの求められていない。私らしく、感じたことをそのまま記事にした。その後行われた面接で面接官に「君の記事、よくできているよ」と言われ、嬉しかった。19日、最終面接の案内が来る。

 4月22日、朝日新聞社最終面接。面接官6:学生1。面接はすごく和やかだった。筆記試験時の論文もしっかり読まれていて、「君、ヴィトンのバックいくつ持っているの?」などと聞かれたりした。必死で少ない知恵を絞って書いた論文が読まれていることはかなり恥ずかしかった。

 4月23日午後4時半ごろ、内定の電話が来た。夢がかなったことがすごく嬉しかった。両親も喜んでくれた。部活の仲間が「おめでとう」といってくれた。それがとても嬉しかった。このようにして私の就職活動は終わった。

 私が就職活動を終えて言えることは、就職活動は楽しむものだということ。そして、自分だけのマニュアルを作りながらやることが成功の鍵だということ。前向きに、あきらめない気持ちを大切に笑顔で活動してほしい。



#18 模擬面接 Vol.5 『雑学王?』 03.06.11up

”雑学王”と友人から呼ばれる Mさん。週刊誌の特集、グルメ情報、映画批評など次々に編集者から浴びせられる質問に自慢の雑学で太刀打ちできるのでしょうか!
*今回の模擬面接は講談社を志望するという形で模擬面接を実施しました。

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(1)
編集者
「講談社の志望理由を聞かせてください。」
Mさん
「情報を編集するということに非常に興味を持っています。それはなぜかと言いますと、情報というものは、磨き方によっていくらでも面白くできると思うんですね。例えば腕時計にしても、腕時計をどのように伝えるのかという切り口によって面白いものもできるし、つまらないものも出来ると思っていて、情報を上手く加工して伝えるということに非常に興味があります。そのことを考えて編集者というものを志望しました。」
編集者
「講談社でやりたい雑誌はありますか?」
Mさん
「週刊誌です。」
編集者
「週刊誌もいっぱいあるけど。」
Mさん
「『週刊現代』です。」
編集者
「『週刊現代』のどんなことをやりたいの?」
Mさん
「できれば、特集をやりたいなぁと思っていまして、3ぺーじないしは6ページくらいまでの特集ならできるかと思っています。」
編集者
「どんなテーマをやりたいの。」
Mさん
「例えばですね、パンチラというものに興味がありまして、井上章一さんが『パンツが見える。』という本を出していまして、パンチラの発生と歴史について本を書かれています。あと、『週刊SPA!』でも、何メートル下ならば、エスカレーターでパンツが見れるかという特集があって、数学的な要素も用いられて非常に面白かったです。そのようなところでパンツが見えるスポットみたいなところからはじめて、今の女性のパンツの好みは何なのかというところを面白おかしく伝えるようなことで、根底には風俗を読者に伝えるというようなことを考えて特集をやりたいなぁと考えています。」
編集者
「自分でデジカメとかで撮るのですか?」
Mさん
「自分では撮らないですけれども、永田町のエスカレーターですと、110mくらいあって、そこだと一番下から見るとぎりぎり見えるかもしれないとか、スカートの長さとパンツの位置と足の長さと目線の位置とエスカレーターの長さと段差によって、どこから見えるかというようなことは面白いと思います。」
編集者
「どこから見えるのかというのを『週刊現代』で教えてあげるのですか?特集だし。」
Mさん
「そうですねぇ、、、実際に週刊誌でやるのは難しいかなぁと思うのですけれども。」
編集者
「難しくはないだろう。似たようなことをいっぱいやっているのだから。」
Mさん
「そうですね。まぁ面白いことメインではなくて、結局そこにどうして読者が興味を持つのか、であるとか、パンツを見られても恥ずかしがらないような女性がいて、それでは僕らも面白くないよね、というような読者の思いがきちんと書ければなと思います。」
編集者
「『週刊現代』でね、例えばヌードとかがいっぱい出てたりするじゃない。昔みたいにヌードが出たら売れるという時代ではないわけで、あなたならそういうものをこうしたら売れるというアイデアはない。パンチラをもう少しエスカレートして。」
Mさん
「例えばエロを出すんだったらエロの出し方をもう少し考えなくてはいけなくて、エロ本とは違うんだから、、、うーん、難しい。。。」
編集者
「例えば今袋とじとかを開いてみて、どういうあたりがうれしいですか。面白いですか。」
Mさん
「袋とじを開いてみても、期待に応えられないものもあるので、それは割りと残念だなぁと思っていて。」
編集者
「そういうとき、どうして欲しいですか。」
Mさん
「僕個人の趣味なのですけれども、もう少し女優さんの顔とかが見れたらなぁと思うので、等身大の写真で乳を見せるという企画だったのですけれども、袋とじでないと読者に見せることができないものだとは思うのですけれども、それはちょっとどうなのかなぁとおもいました。もっと読者にノスタルジーに訴えられるような企画、例えば『SPA!』という雑誌ですと、著名人が企画を『SPA!』に持ち込んできてそれで撮る企画、例えばスチュワーデスを客室乗務員の控え室のところで撮るだとか、OLを撮るであるというような企画で写真を撮ることがあるのでエロに関してはそういう点がいえるかなぁとおもいます。」


(2)
編集者
「(面接カードを読みながら)オススメのグルメのところに『日比谷マツモトロー』って何がオススメなの?やはりビーフカレー?」
Mさん
「カレーだとおもいます。あそこのお店は場所が非常に良いところにありまして、日比谷公園の中でちょっとしたスポットになっていまして、非常に和める今時珍しい自然の多いレストランだと思います。」
編集者
「(面接カードを読みがら)ボーリング・フォー・コロンバインってのはさ。面白いんだけどどこが一番面白かった。」
Mさん
「そうですね、まじめじゃないところが一番面白かったと思います。今まではあのようなドキュメンタリーですと、ジョークというか笑いというかユーモアというものが全くなかったなぁと思っていまして。これは日本のドキュメンタリー全てにいえることだと思うんですけれども、この映画では面白おかしく取り上げるという点が多い。笑い飛ばしてしまうような日本では不謹慎だというやり方をあえて使っていて、そこが非常に面白いなぁと思いました。」


(4)
編集者
「やりたい雑誌ということで、週刊誌と言われて、あえてエロという話をされたと思うのですが、他に興味のあることはありますか。」
Mさん
「例えば、信号機が発光ダイオードに変わろうとしていると思うのですが、町を歩いてみると、今までの点灯型のものではなくて、発光ダイオードが増えてきているかと思います。そこで発光ダイオードに移り変わったのは何故なのかというところで、普通に見にくいからということもあると思いますし、事故の名所というようなところで信号が見えにくくて事故の名所になっているとか、時間差信号で事故がおきているような話もあります、他にも交通利権の問題があると思いまして、ここを絡めて事故に注意したほうが良いという情報と交通利権の問題を絡めることで多少柔らかいものとして書いても良いのではと思っています。」

(3)
編集者
「(面接カードを読みながら)ここに雑学王と書いてありますが、あなたの人に誇れる雑学は何ですか?」
Mさん
「幕の内弁当の定義というものがあるのですが、本当に取り留めないことなのですけれども。幕の内弁当というのは旧国鉄が設定した弁当なんですね。そこでも、決められたおかずを入れなければならないという定義がありまして、ここは旧国鉄の設定した定義ではないのですが、実際に幕の内弁当というものは煮物があって、ご飯があって、野菜もつけなくてはいけない、ご飯は俵型になっていて、ごま塩が振っていなければいけないというような幕の内弁当の定義があるんですね。幕の内弁当の一番初めは駅弁の名称として『幕の内弁当』と名づけられたのですが、元々の幕の内弁当というのは役者さんや観客が幕の間に食べる弁当というのがはじめです。」
編集者
「幕の内弁当が全国各地にありますが、それを食べ歩きするということはしないの。」
Mさん
「僕はそういうのは詳しくないです。」
編集者
「教えてくれよ。(笑)」
編集者
「幕の内の説明はなかなかよかったねぇ。テレビ番組を見ているみたいだったよ。」

(4)
編集者
「講演会を企画運営していたということで、手が震えたとありますが、例えばどのような方が講師なのですか。」
Mさん
「宮台真司さんとか天野祐吉さんとか花田紀凱さんであるとかをお招きしました。」
編集者
「講師を口説くのもあなたがやるのですか。」
Mさん
「基本的には紹介を受けてこれまでなりたってきたという部分が大きかったのですが、天野祐吉さんはこちらのほうから手紙を書いて、会って頂いて、講演を依頼しました。一番初めのほうは雲の上の人、関係ない人だと思っていたので、どのような話題を振れば良いのかも分からなくて、非常に緊張しました。」
編集者
「人に会に行き交渉するときには事前にどのような準備をしますか。」
Mさん
「もちろん、著書を読みこむところから始めて、どのような話をしていただくのかも検討しますし、やってみて一番思ったのは、偉そうなことを言わないことが一番だと思っていて、自分の思うところに落として問題を設定するというのが一番だと思いました。例えば天野さんであれば『広告は僕らをしあわせにするか』というテーマを持っていきまして、広告のCMの配列の話などを聞いても何の役にも立たないので、実際広告は僕らに影響を及ぼすのか、僕らはどういう風に広告に接していけばよいのか、どう考えればよいのかを話していただきたい、是非そういうことを知りたいということをお伝えして、そのことを話していただくようにお願いしました。」
編集者
「実際どうでした?」
Mさん
「非常に面白かったのですけれども、まずはじめに、広告は僕らを幸福にも不幸にもしないよと言われまして、テーマが駄目だったのですけれども。これはテレビが僕らを幸せにするのか、新聞が僕らを幸せにするかといっても答えは出ませんよねということを言われて、結果は僕らがいかに広告を吟味して楽しめるかどうかということにかかっていると、僕らが広告を多面的に評価して、商品を買うとか、商品を買わないということがあることによって広告がよくなっていくから、そこで受け継ぐ側としていかに広告を受け取るのかが問題であるという感じでした。」
編集者
「(面接カードを読みがら)電車でいかに上手く座るかを研究すると書いてありますが、何かコツがあるのですか?」
Mさん
「いろいろあります。まずは電車が入ってきたときにどこに立ち位置を取るかが問題で、電車の中にいる人は一番出口に近いところに移動するんですね。つまり出口から遠い乗車口にいくとそこには人が少ないのでパッと中に入ることができます。さらに自分の車両の継ぎ目と継ぎ目の間の部分にいると上手くいくときがあります。電車の中に入ってからもいろいろ見るポイントがあって例えば、切符をもっていれば、すぐ降りる人であろうということがわかりますし、雨の降っている日であれば傘の濡れ具合をみれば、遠くから来たのであれば乾いているのでもうすぐ降りるであろうということが分かります。」

(5)
編集者
「この面接で私(元木)以外の2人の面接官はどのような仕事がしていると思いますか?例えば、漫画の編集者なのか、女性誌の編集者なのかなどわかりますか?」
Mさん
「一番右の方は厳しい方で、堅い週刊誌でも軟らかいものであっても現場に取材をされている方だと思います。左の方は女性誌という感じがします。軟らかい感じがしました」


編集者
「それではご苦労様でした。」
Mさん
「ありがとうございました。」

 

#17 模擬面接 Vol.4 『インタビューが大好きです!』 03.05.21up

100名近くにインタビューをしてくるフットワークの軽さを売りにするLさんの志望はファッション誌。インタビュー記事を任されたとしたらどのようなテーマにするかを面接官に尋ねられたとき即答でズバリ<美>と答えてしまう彼女が4人の男性現役編集者にいったいどのように立ち向かっていくのか!!

*今回の模擬面接は講談社を志望するという形で模擬面接を実施しました。

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(1)
編集者
「講談社の志望理由を聞かせてください。」
Lさん
「インタビューの編集の仕事をしたいと思っています。ゼミの授業でインタビューをしてきまして、記録をまとめたときに、テープ起こしをしたり、内容を前後させたり、見出しをつけたりするのが楽しくて、何度も何度も繰り返しながら、自分で納得するものが素人ですけれども作れるようになったことが面白いと思ったのでそれをやりたいと思っています。」
編集者
「講談社でやりたい具体的な雑誌はありますか?」
Lさん
「『with』です。」
編集者
「その理由は?」
Lさん
「私は雑誌を買う基準として、表紙の芸能人を挙げているのですけれども、そのインタビューが読みたいから(雑誌を)買うというのがありまして、今回『with』(4月号。2月28日発売)は(表紙が)矢田亜希子さんで、毎晩グレープフルーツジュースを飲んで寝るということで美を保っているというのを私も真似して実践したりするので、読者にプラスになるようなことを与えることが出来れば良いなと思っています。」
編集者
「インタビューが好きなのですか?」
Lさん
「大好きです。」
編集者
「難しいでしょう。」
Lさん
「はい、難しいです。」
編集者
「いままでで、(インタビューをしていて)難しいなぁと思ったことは?」
Lさん
「私の質問の意図とインタビュー相手の答えが噛み合わない時がありまして、それはテレビのプロデューサーの合津さんという方にインタビューをした時なのですが、私はプロデューサーと役者の関係を知りたいと思ってインタビューをしていたのですが、合津さんとしては自分のやりたいことを役者にやってもらうという、自分のやりたいことを前面に出されたので、そこがかみ合わなくて、上手くいかなかったということがあります。」
編集者
「上手くいかないとまずいと思うわけですよね。途中でも。何回も何回もインタビューをし直すわけにはいかないから。そういうときに上手く(自分の流れに)戻さなければならないでしょう。この場合どうなりましたか?」
Lさん
「その時は、事前に合津さんが『幻の光』でベネチア映画祭で賞を取っていたので、その話にもっていけばどうにかのってくるだろうと思いましたので、『幻の光』の話を出しました。」
編集者
「上手くいきましたか?」
Lさん
「大丈夫でした。」
編集者
「『with』に採用されたとして、インタビューといっても山ほどあるわけですよね。例えば新連載を立ち上げる場合、テーマを決めなければならない、この人にこのテーマでインタビューをする。あなたなら何にしますか?」
Lさん
「<美>です。君島十和子さんとか黒木瞳さんとか30代後半から40代の方でも内面からのオーラが出ている人が多いと思うので、私もそういう風になりたいと思いますし、私の周りの人もそうですし、多くの人もそう思っていると思うので、その秘訣を教えて、やっていることを盛り込んでいきたいと思っています。」
編集者
「要点を聞くという感じですか。」
Lさん
「読んだその日から実践できるようなことをやりたいなぁと思っています。」

(2)
編集者
「友人が200人いると書いていますが、数としては多いほうなのですが、そんなにたくさん友人がいるのですか?」
Lさん
「私は結構筆まめなので、手紙を書いたり、ハガキを出したり、年賀状を書いたりするのが大好きなので、年一回の年賀状のつながりでも私はすごく愛着を持って接しているので200人くらいかなぁと思っています。」
編集者
「メールはしないのですか?」
Lさん
「メールもしますがどちらかというと手紙のほうがいいかなぁと、小学校の時の友達とか中学校のときの友達のメールアドレスを知らないということもありますので。」
編集者
「200人の友達の中でこの人は面白い、変わった人はいますか?」
Lさん
「軍事マニアの人がいます。ナチスの話などを延々してくる人がいるのですが、その人は今京都大学にいるのですが、高校時代の同級生で、第2次世界大戦の時の話に興味があるらしく、ノルマンディー上陸作戦のときに世界史の授業で、先生の代わりに授業をしたりしました。」

(3)
編集者
「(面接カードを読みながら)部活の寮の火事の話なのですが。火事も大変だと思うのですが、タイトルの『伝えたい気持ちに応えたい』というところで、記者の方には(火事について)ノーコメントを突き通したわけですね。」
Lさん
「はい。」
編集者
「僕らにとっては凄く悲しいことなのですが、(ノーコメントは)基本的には良いのだけれども、取材の中にはインタビュー取材だけでなく、聞き込みも頻繁にあるわけですが、なかなか取材を受け続けたり、朝晩警察官に追われていたりして、話したくない人にインタビューをしなければならない。答えたくない気持ちも分かる。このようなときにどのようにしましょうか?」
Lさん
「この時ノーコメントを突き通したのは、部の方針としてノーコメントで行きなさいといわれたのでそれに従順に従ったのですが、真正面から行って駄目だったら別の角度から行こうかなと思います。手紙で書いて、しつこいかもしれないですけれども電話をかけたり、もしその人が落ち込んでいると思ったらセラピー的な本を贈ってみたりして、そういう風にして出来たらいいなぁと思うのですが。」
編集者
「時間はかけますか?」
Lさん
「時間はかけるほうだと思います。それで、一つ何か大きな話を得ることが出来れば良いと思います。すぐに話がほしいというのではなく、一ヶ月、二ヶ月もしくはそれ以上になるかもしれないですが、時間をかけると思います。」

(4)
編集者
「西武ファンですか?」
Lさん
「所沢に住んでいるので、西武ファンになれば全て安くなるということで応援していて、近くに住んでいるからそういうところでアルバイトする経験というのも今しかないだろうと思いましたのでしました。」
編集者
「大相撲が好きだということですが、大相撲は今落ち目ですが、面白いですか?」
Lさん
「面白いです。今だと高見盛という力士がいるのですが、高見盛が土俵に上がるときに会場に歓声が上がるのでその場面とか、緊張とか血行が良くなって肌がどんどん赤くなっていくところ、そういうのが良く見えるところが面白いと思いました。」
編集者
「あなたはよく見に行くの?」
Lさん
「見に行きます。」
編集者
「贔屓は高見盛なの?」
Lさん
「はい。」
編集者
「外国人が増えてきた日本の相撲界の現状をどう思いますか?」
Lさん
「私は外国人が日本の相撲という一つの文化を受け入れてくれているということが凄くうれしく思っています。日本人の力士が少ないというのは私たちの世代に相撲を見る機会が少ないからだと思っていまして実際に私もよく見に行くほうなのですが、チケットが高いとか、升席になると一人一万円くらいで、私に払うことが出来ないので、私は無理なので、上の方でみています。そういうお金の面もありますし、そういう所からどんどん離れていくのだと思っています。私が以前相撲を見に行った話を同じ世代の友達にしましたら、行きたいと思っているという人もいますので値段の面から改善していくことも大切なのだと思っています。」
編集者
「あなたは、相撲取りと結婚したいと思ったりしないの?」
Lさん
「その人のパーソナリティが凄く良かったら結婚しようと思いますが、もし、私とあわない人だったら無理です。」
編集者
「(相撲取りと)つきあったことはないの?」
Lさん
「ないです。(相撲取りを)ディズニーランドでよく見ます。」
編集者
「(和みつつ)笑い」

(5)
編集者
「変わったアルバイトがあるのですが、JRAの電話投票権事務というのはどのようなアルバイトですか?」
Lさん
「JRAの電話投票権というのがあるらしくて、(仕組みについて)詳しくは良く分からなかったのですが、その人が本当にその人なのかをチェックしました。申し込み表の内容と住民票の内容が合っているのかとかを。それをずっと流れ作業で夏休みにやってみました。」
編集者
「電話で申し込みを受けるというのではないの?」
Lさん
「そうではないです。」
編集者
「競馬はやらないの?」
Lさん
「競馬はやりたいのですが、まだ機会がなく、やってみたいとは思っています。」
編集者
「相撲取りと同じくらいきれいそうだよ。サラブレットとか。」

(6)
編集者
「今就職以外で一番関心のあることは何ですか?」
Lさん
「フィギュアスケートですね。見るのが好きというのと、知り合いがやっているのでその方の活躍をテレビなどでたまに見るのでニュースでやっていると見ます。」
編集者
「自分で出来ないの?」
Lさん
「自分ではちょっと。」
編集者
「全然違うの?アイスホッケーと。出来そうだけど。」
Lさん
「アイスホッケーは部活でやっているというのもありまして、スケート靴を持っていてたまにやるのですが、ジャンプとか、普通にすべるのには変わらないと思うのですが、魅せるのと戦うのは違うと思います。」
編集者
「どちらが好きなの?」
Lさん
「戦うほうですね。魅せるほうはやはり見てる側になってしまいますね。」
編集者
「攻撃的なの?」
Lさん
「私は結構攻撃的だと思うんですけれども。アイスホッケーもマネージャーなのですけど、攻撃的なものをある程度見ているとスッキリするんですよ、自分が普段出せない声とかを出すことになるので。」

(6)
編集者
「漫画は読まないの?」
Lさん
「少女漫画が好きなので他社で申し訳ないですが、いまだに『リボン』とかを買っています。」
編集者
「面白いの?」
Lさん
「面白いですね。」
編集者
「どんなところが?」
Lさん
「昔から読んでいた一人の作家、高須貸由枝さんが本当にデビュー作品から読んでいて、『グッド・モーニングコール』というのですが、ちょっと終わり方が気に食わなかったのですが、凄く面白く毎回楽しみに待つことが出来るような作品で、絵も変わっていくし、そういうのが面白いと思いました。」
編集者
「男物は読まないの?」
Lさん
「男物は、『スラムダンク』とか『幽々白書』とか『ドラゴンボール』とかの時代はよく読んだのですが、今はあまり読まないですねぇ。『(名探偵)コナン』を読んでいます。」

編集者
「それでは、終わります。お疲れ様でした。」
Lさん
「ありがとうございました。」

 

#16 模擬面接 Vol.3 『体力はないが、根性はあります!?』 03.05.13up

長時間でも活字を追うことが出来ると豪語する国文学科のKさん。「2ちゃんねる」(インターネット上に存在する個人で運営する巨大掲示板群)を分析した本を作りたいという彼の思いは編集者に通じるのでしょうか?
*今回の模擬面接は講談社を志望するという形で模擬面接を実施しました。

---
(1)
編集者
「まず講談社を志望する理由を聞かせてください。」
Kさん
「講談社を志望した理由は、読書経験の中で講談社の本の比重が大きかったというのが1番です。中学生の時に始めて自分で本を買って読んだのが講談社文庫の我孫子武丸さんの『8の殺人』という本で、そのときに活字を読んで広がる世界の面白さを覚えまして、それ以来たくさん本を読んできました。そこで、今度は自分で本を作る立場になりたいと思い志望しました。」

(2)
編集者
「講談社に入ってやってみたい雑誌はありますか? 」
Kさん
「単行本を編集してみたいです。文芸、人文書に興味がありまして、今自分が考えている企画は『2ちゃんねる』に興味がありまして、(『2ちゃんねる』は)便所落書きだとか馬鹿にされているところがありますが、独自の言葉遣いであったり、大量に階層が存在するので、様々な社会とのかかわりを感じさせてくれるみたいなので、例えば社会学者の宮台真司さんに解説してもらった本を書いてもらいたいです。」
編集者
「『2ちゃんねる』だとサイトの管理人の方が書いた本やインターネットの『2ちゃんねる』で使われる用語の本などすでに出ているので、これから同じことをやっても仕方がないと思うのですが。」
Kさん
「文芸春秋さんが『2ちゃんねる宣言』という本を出しましたがそれ以外は『2ちゃんねる』のヘビーユーザー用の本が多く、CDーROMが付いていたり、用語集であったりしたのですが、僕が作りたいのは学術的な視点で『2ちゃんねる』が今後どうなっていくのかを分析したいと思います。」

(3)
編集者
「自分が編集者に向いている点を教えてください。」
Kさん
「自分が編集者に向いているところは、たくさん本を読んできたことと長時間でも活字を追うことが出来る点です。」
編集者
「編集者はたくさん本を読んでいたり長時間活字を追うことが出来るだけで良いと思いますか?」
Kさん
「そんなことはないです。次のもの(作品)を生み出していく企画力は問われてくると思いますし。例えば作家さんであったり漫画家さんとの人間関係信頼関係というものが問われてくると思います。」
編集者
「その中で一番編集者にとって大切な資質は何だと思いますか。みんな活字が好きだというのですが、本を読むのが好きな以外で他の人が持っていない要素はありますか。」
Kさん
「対人関係だと思います。エントリーシートにも書いたのですが、牛丼屋でアルバイトをしていました。ある日怖い感じの人が入店されて、僕はいつもどおりマニュアルを読んで「セルフサービスなのでご注文のものがお決まりでしたらどうぞ」といったらその人は(私の言葉を)無視して、入ってきて、注文をするんですよ。困っていたら、先輩社員の方に助けてもらって収拾したかと思ったのですが、先にお会計を払うシステムになっていて、ここでもごたごたしてしまい、そしたら凄い大きな声で「だから気にくわないんだ」と怒られたことがあり、それで、これまで何をやっていたのだろうなと、接客というものを単にマニュアルどおりやってたら良いと思い込んでいたのを反省して、やはり、人と人との関係が大切なのではないかなぁと思っています。」
編集者
「もし仮にそのような客が来たらどうしますか?」
Kさん
「お客様のところへ行って平身低頭話を良く聞いて分かりましたといいます。」
編集者
「(エントリーシートを見ながら)こちらがみている「トラブル」という欄をみているのですが、これだと塾の講師として対人関係がうまくいかなかったのが最大のトラブルだと書いてあるのですが、牛丼の件とどちらが先なの?」
Kさん
「塾のほうが一年生なので先です。」
編集者
「塾でいろいろなことを学んだんですよね。また牛丼屋さんで同じような失敗をしたということなので本当に成長したのですか?」
編集者
「話の流れ的に突っ込まれることはあるかもね。」
Kさん
「はい」

(4)
編集者
「今日(3月20日)戦争が始まりましたが君の戦争に対してどう感じているのかを何でも良いので自分の言葉で教えてください。」
Kさん
「アメリカが攻撃する意味はいろいろあると思うのですが、結局武力に訴えて、人を殺して、また向こうの反米感情をあおってまたテロがあって、人を殺しあっているだけとしか思えないので武力に訴える以外の手段を考えなければならないだろうなと思います。」


(*)
編集者
「あなたはもう少し大きな声でしゃべらないといけないなぁ。」

(5)
編集者
「(エントリーシートを見て)「群像」を読んでいるのですか?」
Kさん
「毎月というわけではないですが。読んでいます。」
編集者
「(他の面接した学生も「群像」を読んでいたので)『群像』は大学生の中ではやっているのですか?」
Kさん
「大学生の中ではやっているわけではないと思うのですが。」
編集者
「ゼミの学生とかが内容を見て詰め込んだりするの?どのような時に「群像」を読むの?」
Kさん
「大変申し訳ないのですが、図書館で読みました。文芸誌をチェックし、読んでいるので。」
編集者
「『群像』で最近面白かったものは?」
Kさん
「(・・・)」
編集者
「こういうの(エントリーシートに雑誌を読んでいると感じさせる書き方をしてたので)を書いておくとたまに、感想を聞かれることがある。」
編集者
「今、文芸のサークルにいらっしゃるみたいですが、例えばこのサークルの仲間で『群像』が話題になっているということはありますか?」
Kさん
「『群像』はなかったです。」
編集者
「あるいは文芸誌で話題にするとなるとどのような時に取り上げるのですか?」
Kさん
「この前話題になったのは芥川賞をとられた『しょっぱいドライブ』を読んでどう思う?という話しをしました。」
編集者
「その本は面白かったですか?」
Kさん
「内容は女性と老人が関係を結んだというもので、凄い面白かったというよりも書き方が文学しているなぁと感じました。」
編集者
「それは肯定的な意見ですか。」
Kさん
「はい。」

(6)
編集者
「麻雀を凄くお好きみたいですが、竹書房はお受けになるのですか?」
Kさん
「竹書房は受験しようと考えております。」
編集者
「あそこはアイドル写真やグラビアなどをいっぱい出しているが、そういうのは興味はありますか?」
Kさん
「読者としては興味はありますが、、、」
編集者
「自分でやろうとは思わない。」
Kさん
「具体的には考えていないです。竹書房を受けるなら『近代麻雀』とかをやりたいなぁとおもいます。」
編集者
「講談社だって、『フライデー』とかに入ったら女の子のヌードを撮ったり、または張り込み写真を一週間や十日も張り込んで芸能人の追っかけをする仕事もあるのだが。』
Kさん
「多分体力的につらそうですが、面白そうだとは思います。」
編集者
「編集者って体力勝負だからなぁ。『編集者の学校』でも取り上げたが、山田というその当時『ホットドックプレス』の編集長をしていたのに聞いてみると本当に体力ないととてもじゃないけど勤まらない。あまり体力に自信ないのですか?」
Kさん
「体力っていうのは。。。根性はあります!」
編集者
「体力はあまりないのですか?」
Kさん
「肉体的にはあまり。。。」
編集者
「(エントリーシートを見て)でも徹夜で麻雀、寝ない体力はあるんだ(笑)」

編集者
「それではご苦労様でした。」

 

#15 面接のコツ Vol.7 『面接でやってはいけない!4つのこと』 03.04.25up

面接に合格するためのアドバイスの3回目です。Y・T(28)さんは平成9年に轄u談社に入社しました。現在は週刊現代編集部で活躍。テキパキしたアドバイスはとてもテンポがよくて痛快です。

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『面接でやってはいけない!4つのこと』

「面接なんて相性だ、運だ」――よく言われる言葉ですが、まったくその通り。人間同士が会話をするのですから、すべての面接官に対して有効な作戦など、最初からあるわけがないのです。しかし、逆は真ならず。
「すべての面接官に忌み嫌われる行為」  というものが、確実に存在します。それを学生側が「良かれ」と思ってやっている ケー スは、もはや悲劇的です。 皆さん忙しいでしょうから、ややこしいことは申しません。とりあえず、以下に挙げ た行 為だけは慎まれることを、切に願う次第です。

@バカ正直
 面接とは、一言で言えば「プレゼン」です。自分という商品を、いかに高く売り込むか、という勝負です。そんな状況で、自分について愚直にバカ正直に話しても、いいことは何もありません。特に出版社は、表現するのが仕事。しょせんは学生の貧困な経験を、いかに大きく見せられるか、という能力が問われているのです。
 たとえば大学時代に、あなたがまったく勉強していなかったとしましょう。学生時代について「私はサークルの代表として、縦横無尽の働きをしました」などという自己ピーアールしか準備していなかったとしたら、それは危険です。面接官は、いかにも勉強してそうな学生には勉強のことは聞きませんが、勉強してなさそうな学生にはあえて勉強のことを聞くものです。
そこで「サークルが忙しくて勉強はあんまり……」などと言おうもんなら、あなたの評価は下落します。大学は、本来勉学に励む場所。専攻する学問について、面白い話の一つ二つは用意しなければいけません。すぐには思いつかなくても、なんとか演出して捻出する。それがプレゼンというものです。
 ここでミソなのが、「演出」という言葉です。演出はいいけど、ウソはいけません。バレたら終わりだし、妄想で作れる話には限界があります。ちなみに私の専攻は言語学で、「ソシュールとチョムスキーについて学んだ」などというウソをつこうかと思った時期もありました。しかし、しょせんウソなので、話が膨らまない。そこで、必修ゼミだった「アフリカ少数民族言語」の話で押し切りました。「ンドンガ語っていうんです。ンで始まるってだけで興味津々でした」とか何とか言って。
 バカ正直はだめだけど、ウソもだめ。巧妙に演出することが大切です。

A調子をこく
 これは最悪です。自分のトークが好調でも、酔ってはいけません。社会人というのは、何事においても「too much」であってはいけないのです。
 私もある出版社の面接で、なかなかうまく喋れた時がありました。そして「最後に一言ありますか」と聞かれたときに、つい調子をこいてこんな発言をしてしまったのです。
「逆にお聞きしていいですか。(面接官が)仕事をしていて一番楽しかった瞬間はどんな時ですか。私をワクワクさせて欲しいのです」
 面接官の顔が引きつりました。「まあ、本が売れた時だけどねぇ」とか呟きながら、テンションが一気に下がったのがわかりました。いま思えば、アホなことを言ってしまったものです。
 もちろん中には、学生ノリで盛り上がって成功するケースもあるでしょう。しかし基本的には、それに嫌悪感を覚える面接官のほうが多いはずです。どんな状況でも、「いま自分は品定めをされる立場なのだ」という冷静さを失わないこと。「話は盛り上がるんだけど、落ちるんです」というあなたは、そこんところをもう一度考えたほうがいいでしょ う。
 頼まれてもいないのにサムい一発芸をやるなどは、論外です。

B当たり前のことばかり話す
 これは、@のバカ正直に通じるものがありますが、何かを聞いたときに当たり前のことばかり話されても、面接官の記憶には何も残りません。忘れてはいけないのは、面接官は同じ日に大量の学生に会うということです。そういう意味で、最終的にはあなたという人間を絶対評価するというより、他の学生と比較して相対評価することになるのです。

 たとえば今のご時世であれば、「アメリカのイラク攻撃についてどう思うか」という質問が想定できます。そんな時に、 「理由もないのに攻撃するのは、やっぱり良くないと思います」
 などと言われても、「あー、今日28回目か」と、ゲンナリします。何かちょっと変わった切り口、視点で話すことをこころがけましょう。とはいえ、Aの「調子をこく的」変わった発言はいりません。「すぐにでも飛んで行って取材したいッス!」なんて元気いっぱいに言われても、これまたウザい。
 もし私が面接官だとしたら、「戦争報道の分析」なんかをされたら、へぇ、と思うのかもしれません。「新聞・テレビの従軍取材なんて、アメリカの都合の良い情報を垂れ流しているだけだと思います。そういう意味で、本当のことを伝えているのは週刊誌だけだと思います。たとえば……」という話であれば、興味を持って聞くことができるでしょう。もちろんこれはあくまで一つの例で、切り口は他にもあると思います。
 これは何についてもそうで、聞かなくてもわかることを話してもしょうがない。「アルバイトから学んだこと」と聞かれて、「おカネをもらって働く責任感を痛感しました」なんて答えていては、つまらないヤツだと思われます。当たり前だろ、それは。ちなみに私はコンビ二でバイトしていたのですが、「毎週水曜日の深夜1時、皮ジャン皮パンでチェーンをジャラジャラ巻きつけた男が、ハーレーに乗ってやって来て、毎回アポロチョ コを一個だけ買って、またハーレーで颯爽と帰っていくんです(これは実話)。世の中にはいろんな人がいるんだなぁ、という勉強になりました」と話しました。
 短い面接で、あなたの魅力をすべて知ってもらうのは不可能です。せめてその10分の間に、面接官の記憶に残る「輝く言葉」をひとつは残していく工夫をしましょう。

Cナメる
人間はみんな、ナメられるのが大嫌いです。あなたもそうでしょう。いわんや(立場的に上位に立っていると思っている)面接官をおいておや。
 この場合の「ナメる」というのは、なにも喋り方や態度だけを指すのではありません。
「準備不足」もこれに含まれます。たとえばあなたが講談社を受けるとして、希望部署に「週刊現代」を挙げたとします。その時面接官がたまたま週刊現代の人間で、「先週号のこの記事はどうだった?」と聞く。
「えー。……すみません。それは読んでないです」
 面接官としては、「ナメとんのか」という気分になります。就職活動が忙しくてスミズミまで読めないのかも知れませんが、そんなのはそっちの都合です。仕事で何か失敗をしたときに、相手に関係のない理由は「理由がない」のと一緒。社会人はそこまで優しくありません。「それはお前の都合やろ!」と、余計に怒られるのがオチです。
 面接を受けに来た以上、その会社を大好きになるのは最低限の礼儀です。従って、「好きな雑誌」に挙げたものくらいは、スミズミまで目を通す謙虚さが必要です。もっと言えば、見るからにサエない面接官に対して、「人間的には俺のほうが魅力的なのに」などと思ってはいけません。かく言う私は、しょっちゅうそう思っていました。そういう気持ちは、必ず相手に伝わります。だから落ちまくったのでしょう。反省しています。

■最後に
 誤解のないように言っておきますが、ここに書いたことは会社に入ってからも遵守する必要はありません。むしろ講談社は、調子をこいたり、(ちょっとくらい)上司をナメたりしても許される、懐の深い会社です。面接の短い時間だけ、上記を肝に銘じてもらって、晴れて入社された暁には一緒に楽しく仕事をしましょう。

 

#14 面接のコツ Vol.6 「ヒラ面接官の雑感」03.04.17up

面接に合格するためのアドバイスの2回目です。今回登場してくれる轄u談社のI・Iさん(31)は平成7年に入社。アドバイスはちょっぴり辛口ですが、必見の一作です。

■『ヒラ面接官の雑感』
 はじめまして。まだペーペーですが、勤める出版社が何を思ったか、私に「一次面接で面接官の隅っこの席に座れ」と指令を出したことがあったもので、その体験から 得た感想などを残しておきます。(自分の面接については恥ずかしくて思い出したくないので割愛します。大人って卑怯なものなんですよ)

「自己紹介と志望動機」について。

 どうして皆さん、せっかく面接までこぎつけて、そこで得た貴重なプレゼン時間を、「キレイ事」だの「大上段に構えた政策論争」だの「他人事のような評論」だのに費やすんでしょうか。私にはさっぱりワケが分かりません。だって、自分だってそんな話、聞きたくないでしょう? 面接官だって人間です。いくら自分の会社に関わる話題だからって、同じようなもっともらしい話ばっかり聞かされたら、退屈であくびの一つも出て、さらには最後まで面接せずにシートに「×」をつけたりしたくもなる、ってなもんです。

 要するに、初対面の相手に対して、もう少し面白がってもらうという前提があってもいいんじゃないかなあ、と思うわけです。 私が面接で聞いた学生の「自己紹介・志望動機」の90%以上は、「単なる熱意のアピール」「空疎な不勉強の言い訳」「受け売りのご託宣」でしかありませんでした。でも、なぜか面接では、このような論法でとうとうと語る学生の方が非常に多いのが実情です。読書量の自慢やハリーポッターのヒットの要因やコンテンツビジネスの未来や、それ自体は不快極まる話ではないと思いますが、正直、何か具体的な「面白がらせどころ」がないものは退屈な話でしかありません。こういう定型的な面接トークって、普通の感覚だと、喧嘩を売られ ているとしか思えないのです。

 実際、皆さんが出版社にはいって編集者や記者として現場に出たところで、話を聞く側に面白がってもらえなければ、原稿依頼だって取材だって10秒で失敗するんですから。いや、これは編集者に限らず、どの仕事だってそうだと思います。面接は(そして取材も打ち合わせも)合コンとは違って、事前に相手の情報を調べることができるものです。特に出版社だったら、その商品である書籍や雑誌を大量に読むことで、その目的はかなり達成できるはずです。その下調べで気付いた自分なりの感想と、「俺だったらこの会社に入って具体的に何をしたいか」という企画をミックスすれ ば、それでもう「面白い自己紹介と志望動機」が出来上がるわけです。

「そんな下調べなんて面倒だ、だいたい私はエントリーシート書きと面接で忙しいんだから」なんて方は、もっと忙しくなる会社員をやったら後が辛くなるから、諸々と考え直されたほうがいいと思います。私も横着者なもので、普段の忙しさを言い訳にして、事前の準備が整わぬままに取材したり打ち合わせしたり企画会議に出たり、と いう失敗を重ねる日々です。この不況下、そんな「使えない」人材が私のほかに増えても、会社だって困るでしょう。

 と、脅しながら、この話はこれでおわりますが、紙幅の都合上、あまり具体的なことまで踏み込めずに申し訳ありません。万が一、こんなロクデナシ編集の話をもっと聞きたい方は、会社訪問でも何でも申し込んでくださいませ。皆様の健闘を期待しています。

 

#13 面接のコツ Vol.5 「<され面>から<する面>に!」03.04.13up

今回から3回にわたり、面接に合格するための先輩のアドバイスを紹介します。登場してくれるのは轄u談社に入社した、現在30歳前後の皆さんです。まだ就職活動で経験した面接試験の記憶ものこっているそうですし、きっと合格のための貴重なアドバイスをもらえるのではないでしょうか。第1回目はS・T(30歳)さんです。平成7年に轄u談社に入社しました。


昨年、はじめて入社試験の面接官を仰せつかった。入社8年目、ギリギリとはいえ20代だったので、自分の入社試験の面接もまだ記憶にある。そこで、面接を「される」立場(以下、「され面」と略)と「する」立場(以下、「する面」と略)の決定的な違いから、面接の心得をアドバイスさせていただきます。

■まず、「され面」は基本的に一度きりしかない。これに対し、「する面」は一日に少なくとも10人以上の方とお話をします。出版社の面接ではいくつかの基本の質問がありますが、「する面」からすると、突拍子もない志望動機にはお目にかかれませんし、度肝を抜くような自己紹介もほぼありません。ポイントは簡略に話すこと。面接の時間は限られています。他人との差別化が図りにくいところに時間を割くのは時間の無駄遣いです。

■「され面」の場合、どんな質問をされるのか、緊張するなというほうが無理でしょう。しかし、「する面」からしても、何を聞いたらいいのかわからないような人が来ると、非常に緊張(もしくは困惑)します。考えてもみてください。大の大人が四人も五人も仕切られた狭い空間にいて、誰一人言葉を発さない。なんとも異様です。質問されやすいように履歴書やエントリーシートに種を撒いておくことが重要で、「され面」からすると、質問をある程度予想できるメリットがあります。

■「され面」は不合格ならそれきりですが、「する面」は合格させたら同僚になる可能性があります。ここ、以外と重要です。他の学生より目立とうとするあまり、いわゆる「ヘンな人」になってしまう人がたまにいます。具体的に言えば、「自分は演歌が得意なので聞いてください」とか言い出すような人です。そんな人と席を並べて仕事をしたくはありません。こんな人となら一緒に働きたい、という人物像を思い浮かべてみることが面接突破の大原則でしょう。

■「され面」は複数の会社を掛け持ちしますが、「する面」はあなたがまさに今受験している会社の人間がやります。せめて受験する会社の出版物の何点かは事前に目を通しておくのがマナーでしょう。とはいえ、嘘はいけません。「御社の週刊誌は毎週欠かさず読んでいます」などと、自信たっぷりに話す方もいますが、嘘なら必ずバレます。それよりも「最近印象に残った記事は××についてのもので、私はこう思いました」という話し方をしましょう。それ以外に三つほど記事(作品)の内容を頭に入れておけば充分です。読んでいないものについて聞かれた場合は、素直に「それは読んでいません」と言えばよいのです。「では、他の記事(作品)で印象にあるのは?」と聞きたくなるのが人情です。

■「され面」は自分を観察する作業、「する面」は相手を観察する作業です。もちろん、「する面」の口ぶりや表情で、自分の言ったことに相手が反応しているかどうかうかがうのは重要ですが、それ以前に、自分はどんな人間なのかを把握し、言葉で説明できるようにしておくことが必須でしょう。それができていないと、相手を観察する余裕も生まれてきません。

■「する面」は会話をしたがり、「され面」は答えを出したがります。面接が盛り上がらない典型的なパターンの一つに、質問に対する答えが「はい、いいえ」で終わってしまうということが挙げられます。簡潔に答えることは重要ですが、これでは会話になりません。「面接」とは読んで字のごとく「面をつき合わせて接する」ことです。日常の友人との会話を思い浮かべれば、質問に対する答えが次の質問につながり、というように他愛のないことでも会話が進んでいるはずです。「面接」は「訊問」ではありません。
 以上のようなことを参考にして、晴れて「され面」から「する面」になられるよう、ご健闘をお祈りします。

 

#12 模擬面接 Vol.2 「若者向けハードボイルド小説を作りたい!」03.04.06up

若者向けハードボイルド小説を作ってみたいというJさん。男の子たちをターゲットにした小説を作ることによって、活字離れを解消するという彼女の主張は現役編集者たちに響くのでしょうか?

*2月上旬にJさんが書いた志望理由書に対して元木校長がアドバイスを行っていました。それがどのように面接で活かされたかご注目ください。(最後に二人のやり取りも載せておきます。)

---
(1)
編集者
「あなたは文学新人賞で最終候補まで残ったようですが、自分で書くことが好きなのですか?」
Jさん
「趣味は読書ですが、書くのは好きです。 」
編集者
「自分で書いてやっていこうという思いはありませんか?」
Jさん
「思っていないです。何故かといいますと小説を書いた理由が、編集者になるために小説というのはどういう風に書くのかと自分で思ったんですね。単純に書いてどんなものかみてみようと考えたので、編集者になるために小説を書いたので。編集者を志望して書いたのであって、作家になろうという思いはありません」

(2)
編集者
「文学新人賞で担当編集者がついたわけですが、生まれて初めて憧れの編集者に出会った印象は?なりたいと思いましたか?」
Jさん
「かっこいいと思いました。何故かといいますとすごく小説というものを真摯に捉えていまして、「いい小説を読ませてください」という思いが伝わってきたんですね。何よりも地味というものがわかったのですが、だからこそやってみたいと思いました」
編集者
「具体的に担当の方に言われた言葉で印象に残っている言葉はありますか?」
Jさん
「物事を自分のオリジナリティを持ってみること、視点を変えるように注意されました。人と同じことをやっちゃだめだと何度も言われました」

(3)
編集者
「担当してみたい作家さんを3人くらいあげてください」
Jさん
「まず一人目は宮崎誉子 ( みやざきたかこ) さん、『世界の終わり』という小説を書いているのですが、あと乙一さん、あと、笙野頼子(しょうのよりこ)さんですね」

(4)
編集者
「意地悪な質問なのですが、漫画を読んでいる男性向けの小説というのは基本的に、漫画のモデルがいるんですね。講談社であればGTOや金田一少年など、大体漫画の延長線上で、キャラクターあり。純粋に文字の力だけで対抗するためには何か戦略を立てる必要がある。何か良い戦略はありますか?」
Jさん
「私が今考えていますのは、漫画は絵で見るものなので、心理描写を深く掘り下げていきたいと考えています」
編集者
「定期的に読んでいる漫画雑誌はありますか?」
Jさん
「漫画雑誌ですと、ビックコミックスピリッツやモーニングなどを読んでいます。少女漫画も大体読んでいます」
編集者
「モーニングで最近一番面白いのは何ですか?」
Jさん
「『ジパング』と『バガボンド』です。好きなのは」

(5)
編集者
「基本的には小説の書籍を担当したいようですが、例えば幼児誌をまかされたらどうしますか?」
Jさん
「喜んでやらせてもらえると思います。何故かといいますと編集者はいろいろな経験をつんで全てに生かされると思っていますので、自分の好きなジャンルでなくても、それを経験した上で次につなげて進んでいきたいと考えていますので、自分から進んで取り組んでいきたいと思います」

(6)
編集者
「あなたが今一番関心のあるものは何ですか?」
Jさん
「韓国ドラマです。今韓国映画がすごくブームになっていますけど、韓国映画の次は韓国ドラマが来ると考えています。もう日本でも放送されているのですが、まだ一本しか放送されていないのですね。それもあまり話題にならなかったんですけど、実はまだ面白い韓国ドラマが控えていまして、それがどんどん民放で放送されることによって、かなりブームが来るのではないかという風に思っています」
編集者
「あなたは韓国語は話せるのですか?」
Jさん
「会話程度しか話せないですが、勉強しています」
編集者
「韓国ドラマを見てわかりますか?」
Jさん
「簡単なものは分かります。聞き取りはできるのですが、しゃべるのはできないです。これからどんどん頑張っていってしゃべりたいと思っています」
編集者
「韓国ドラマの面白いところは?」
Jさん
「なんといっても、日本のドラマでは作らなくなった古典的なラブストーリーというものがすごく奇をてらわずにやってくれる。飽和状態といわれる日本のドラマ業界の中で、シンプルなストーリーが今は受けるのではと考えています」

(7)
編集者
「韓国ドラマが面白そうだという情報はどこで仕入れるのですか?」
Jさん
「自分で雑誌やインターネットなどをみて。あと深夜放送をよくみているので、そういうのをチェックしています」

(8)
編集者
「例えば講談社でやってみたい雑誌はありますか?」
Jさん
「『群像』です」
編集者
「随分今までの(面接内容)とは違うのですが、『群像』というのは純文学ですよね。全体的に厳しい状況なのですが、そのような流れの中で、純文学というのに興味を持っているのですか?」
Jさん
「純文学を読む人が少なくなってきているので。若者が読める純文学というものをやっていきたいと考えています」
編集者
「純文学がだめになっている理由は何でしょうか?」
Jさん
「単純にわかりにくくてつまらないからだと思います」
編集者
「そうかなぁ。今度の芥川賞なんて難しくないんじゃない?今度の読みましたか?」
Jさん
「まだ読んでいないです」
編集者
「小説は厳しい状況にありますが良いアイデアはないですか?」
Jさん
「今のところは考えていないです」
編集者
「『群像』を読んでいらっしゃってここを良くすればよいというアイデアはありますか?」
Jさん
「最近リニューアルされましたよね。表紙を工夫したほうが良いのでは。もう少し写真を用いるなどをしてインパクトがあればなぁと思います。ちょっと地味なので書店とかに置いてあると見過ごしてしまうことがあります」
編集者
「中身では?」
Jさん
「齋藤美奈子さんとかをとりいれることで変わると思います」

(9)
編集者
「あなたはファッションなどは興味がありますか?」
Jさん
「好きですけど。ファッション雑誌などはかなり好きです」
編集者
「そういう本とかは読まないのですか?」
Jさん
「読みます。(雑誌は)何でも読んでいるので」
編集者
「週刊誌もですか?」
Jさん
「たまにしかないです。週刊文春とか」
編集者
「『週刊現代』は読まないのですか?」
Jさん
「はい、読んでないです」

(10)
編集者
「伺っていると大学生がそんなに雑誌を買っていると生活苦しくないですか?」
Jさん
「結構友達からまわってきたりですとか、親が買っていたりですとか、あと本と雑誌にかけるお金は惜しまないようにしているので。洋服を買えるお金があれば本を買います」
編集者
「アルバイトとかはやっていましたか?」
Jさん
「今はやっていませんが、昔はコンビニとかでバイトをしていました」
編集者
「コンビニでは雑誌を読めるしね」

---

<Jさんの志望理由書>
 私は書籍編集者になって、新人作家の担当をしてみたいと考えています。私が企画したい小説は、主に10代半ばから20代前半の若い男性をターゲットにしたものです。
 若者の活字離れが進んでいる中で、特に男の子の間では、一部の文学少年、文学青年を除いて、まだまだ小説を読むということに対して『抵抗』があるように感じます。よしもとばななさんや江國香織さんなど、少女漫画を読んできた女の子が、違和感なくそのまま読める小説というのは数多くあるように思いますが、ジャンプやサンデーなどを読んできた男の子が抵抗なく読める小説というのはまだ少ないように感じます。今メジャーな作家の方でいいますと、金城一紀さんや乙一さんのような男の子が読める小説を書く若手の人がもっと出てきて欲しいと思っています。
 具体的にいうと、少年漫画でもよく出てくる『戦い』『抗争』『友情』などといったテーマを盛り込み、主要登場人物の年齢を下げた『若者向けハードボイルド小説』を企画してみたいと考えています。普段小説を読まない男の子たちが「かっこいい」というような小説をつくることを目指したいと思います。
<元木校長のアドバイス>
 メール読みました。「若者向けハードボイルド小説」というのは面白いと思います。講談社のモットーは「面白くてためになる」です。今は面白いが最優先になっていますが。
 このテーマはいいのですが、書き手を誰にするのか、マンガとの差別化、活字でなければ絶対出せない点はどこなのか、を(私なら)聞くと思います。
 そこのところをもう少し詰めたら、すいすい面接は行くかもしれません。がんばって。
          元木昌彦

 

#11 面接のコツ Vol.4 「いかに人前で素直になれるか?」03.04.02up

光文社のIさんのアドバイス。テクニック面と精神面の両面からアドバイスをいただきました。最後の「技術だけでも精神論だけでもダメ。それは異性を口説くときと同じです」の部分は非常に実感がこもっていて必見です!!

<Iさんの体験談>
私の就職活動は大学3年の1月から始まりました。出版以外の業界は受けませんでしたが、就職活動を終えたのは4年の11月。その間、ESを送ったのは17社。筆記に進めたのは11社。一次面接に呼ばれたのが6社。二次面接まで行ったのが4社。最終的に内定を頂いたのが2社。いくつか社名と結果を上げます。集英社は一次面接落ち。小学館も一次面接落ち。小学館JOB採用は、書類通過したものの筆記当日は(日にちを勘違いして)隅田川花火大会を見に行ってしまい棄権。新潮社は書類落ち。マガハも筆記落ち。文春も書類落ち。プレジデント社は二次面接で、「君、女の子だからねぇ、ニコニコ笑ってればここまでこれたかもしれないけど、そういう人は30歳になったとき使い物にならないのよ」と嫌味を言われ、相性最悪でもちろん落ちる。大和書房は一次面接で遅刻し、落ちる。
このように何社も落ちた私ですが、その経験から言えることがいくつかあります。
ひとつは、テクニックのお話。力を入れるべきは作文と面接です。まず作文。これは何度も書くしか上達の道はないと感じました。マスコミに就職している先輩などに添削をお願いするといいと思います。次に面接。これが苦手な人へ一言。基本的に面接官は、受験者たちが事前に書いた履歴書(自己紹介カード)や提出された作文からしか質問しません。言い換えると、面接のネタ本は受験者である私たちが作ったのだということです。だから、深く突っこまれたとき答えられないようなことを履歴書や作文に書くと、面接で自分が困るだけです。また、毎回の面接ごとに履歴書のどの部分から質問が出てきたかを記録しておくと面白いです。何社分かたまると、自分の履歴書のどの部分が他人の興味を惹いているのかが分かります。
もうひとつは精神的なお話。就職活動を通して学ぶべき研究すべきは「自分」です。人それぞれ違うのでしょうが、私が就職活動でブチ当たった精神的な壁は、「いかに人前で素直になれるか?」ということでした。いかに"本心だけ"で会社にぶつかれるか? これがなかなか難しい。自分を少しでも大きく優秀に見せようとして、それが積もり積もってどこか矛盾が出てきます。そして必ず見破られます。たとえば面接。そこでは、ときに(履歴書の範囲を越えた)聞いたこともないようなハイレベルの話をふられたり、正解の無い問いを投げかけられます。そのとき、自己研究を怠っているとボロボロなんです。持てる知識すべてをひっくり返しても答えられない質問には「勉強不足でした」と素直に言い、正解の無い質問には自分なりに考えた答えを自信を持って答える。その簡単なことができません。自分の範疇をこえた質問に(知ってて当然なのかなあ、と)無理に答えようとしてしまいます。そのときの目は、うろたえているんです。どんなに語気荒く話しても、その目では取り繕った感が出てしまいます。作文も同様で、本心から発せられていない言葉は、いくら理論武装してもうわべを取り繕っただけのもので、力がありません。
 以上、大雑把かつ偉そうに書きましたが、結局、技術と精神論の両方が要求されるのが就職活動だと思います。それは異性を口説くときと同じです。まず、相手(会社)を思う心があり、自分が何者でどうしてその人(会社)が好きなのかを伝える技術が必要なのです。もし自分が男で女性を口説いている最中に、「アナタ、どうして私なんかがいいの?」「アナタ、本当はどんな人なの?」と聞かれたとき…それが自己紹介カードであり作文であり面接です。相手は本気でこちらのことを知りたがっているので、うわべだけのかっこいいことを言ってもすぐ見破られます。「うわ、かっこつけてる、カッコワルイー」と思われたら最後。会うことは無いでしょう。本気の相手には本気で。思いが通じるまで思っていれば必ず通じます。私の就職活動はそうでした。相手(会社)は必ず受け入れてくれます。頑張ってください!

#10 模擬面接 Vol.1 「入社できるのは7名中2名!!」03.03.11up

20日、都内某所で模擬面接を開催しました。参加者は7名。全員出版業界に就職することを目指し、現在就職活動の真っ最中ということもあり、真剣そのもの。元木校長を含め現役の編集者4名に協力していただき、本番同様の緊張感の中での模擬面接となりました。

元木校長が初めの挨拶で「割合でいうとこの中で受かるのは2名」という厳しい現実を突きつけ、参加者の緊張感が一気に高まり、その後すぐ参加者は控え室に案内され、一人10-15分程度の面接がスタートしました。

面接の流れは

(1)自己紹介と志望理由を簡単に述べる
(2)面接官から志望理由とエントリーシートの内容を踏まえた質問を行なう
(3)質問に対して答える

基本的に(2)(3)の繰り返し。面接官からの質問内容は、基本的にエントリーシートを踏まえて質問されていました。ただし、時事問題に関する質問として現在のイラク情勢に関する見解を求める場面などもありました。

以下、模擬面接の第一弾としてCさんの模擬面接の内容です。

---

(1)
編集者の質問
「どんな雑誌を担当したいですか?」
学生Cさんの答え
「何でもいいです。雑誌の中のコラムページを担当してみたいと思っています」
編集者の質問
「コラムのない雑誌の場合どうしますか?」
学生Cさんの答え:「耐えます」

(2)
編集者の質問
「どの雑誌でも取り上げたい人はいますか?」
学生Cさんの答え
「文学で言えば石川忠司さん、写真で言えば深川雅文さん」
編集者の質問
「例えば女性誌に配属された場合はどのように依頼しますか?」
学生Cさんの答え
「女性誌の場合、蜷川実花さんとかHIROMIXさんのような柔らかい方になると思うのですが、そのような感じを伝えて撮っていただきます」

(3)
編集者の質問
「自分で文章を書きますか?」
学生Cさんの答え
「大学の課外活動で、学校の機関紙を作っていまして、そのときは取材執筆レイアウトすべてやりました。どんなことでもできるという自信はあります。自分が担当した記事はバイオ関連の特集で大学のOBに取材しました」
編集者の質問
「その際難しかったことはありましたか?」
学生Cさんの答え
「字数が決まっている中でまとまるように構成していくことは面倒くさかったが、
楽しかったです」

(4)
編集者の質問
「好きな作家は?」
学生Cさんの答え
「最近は舞城王太郎さんとか、昔からは寺山修司とかです」

(5)
編集者の質問
「時事問題には興味はありますか?」
学生Cさんの答え
「戦争が始まりましたが、そこで、椹木野衣という方が雑誌で反戦運動を始めたのですが、それには関心があります」
編集者の質問
「それを記事として商品にする場合どういう切り口にしますか?」
学生Cさんの答え
「芸術家とか文化にかかわっている人間がどのように反戦運動をするのかを追いかけていきたいです」
編集者の質問
「それを自分自身としてはどのように伝えたいのですか?」
学生Cさんの答え
「自分では反戦運動自体はしたくないです。戦争というものは実際に人を殺すのが当然で仕方ない部分があるが、それ以上に、戦争が起こった後の世界のバランスに興味があります。勝ったとしてもアメリカにも大きな痛手があるのは目に見えていてそれが、文学、芸術にどのような影響を与えるのかを記事にしたいです」

---
Cさんとの質疑に対して編集者の方のアドバイスとしては

「イラクの話などは聞かれるかもしれないが、戦争に賛成反対ということを聞くのではない。簡潔にまとめる。言い切ったほうがプラス。20何年生きているんだろう! スパっと答えてほしい」

という辛口のコメントも飛び出しました。

#09 面接のコツ Vol.3 「就職、右往左往」03.03.11up

今週も、先輩からのアドバイス。「何が何でも出版社に入るぞ!」を実行したHさんの体験談にスタッフも脱帽です!!

<Hさんの体験談>
僕は2001年から2002年までの十数ヶ月間、就職活動をしていた。昔からマンガが好きで、就職では自然とマンガ編集者を志すようになっていた。学生時代に知人のマンガ編集者からマンガ作りの面白さについて色々と聞いていた事や、自分でストーリーやキャラクターを考えてゲームを制作した事が面白かった事も、マンガ家と同じくらいマンガ作りに深く関わる「マンガ編集者」を目指す切っ掛けだった。他にも、いわゆる「マスコミ」と呼ばれるテレビ局や広告代理店、新聞社やゲームメーカーなどを受験したが、やはり出版社に行きたかった。好きな事を仕事にして暮らしていければ、という考えだった。

【OB訪問】
 就職活動の準備として、僕は大学でOB名簿を調べて集英社と講談社のOBを訪ねた。 集英社のOBはノリの軽い気さくな人で、要領の良い人という印象だった。やはり「週刊プレイボーイ」の編集者だからだろうか。取りあえず誰かに話を聞いてみようと思ったので「週プレ」の人に会ったのだが、エントリーシートの書き方や筆記試験の形式など就職についての基礎的な知識は聞く事が出来たものの、コミック誌の編集者になるために、直接、役立ちそうな情報は聞くことが出来なかった。そこで今度は、コミック誌の人から話を、と考えて講談社のコミック誌で働いているOBにアポイントをとった。

「先輩は、コミック誌を作りたくて講談社を受けたのですか?」
「んー、まあ別にマンガだけがやりたいわけじゃなかったんだけど、講談社ならコミック誌かなぁ、と思って。だからマンガを出してない出版社も受けてたしね」
「僕はどうしてもコミック誌を出している出版社に入りたいのですが、就職活動は大変でしたか?」
「たぶん難しいと思うんだけどね。ただ俺は、講談社を受けたら何故か受かっちゃったんで、他の人よりも苦労したとは思わないかなぁ。いや、正直、俺も自分でどうして受かったのか理由が良くわからないんだよ」
「編集部のお仕事は大変だと思うのですが、実際に働いてみてそう思いますか?」
「マンガの事なんか、そんなに知ってたわけじゃないから、本当に毎日大変だよ」

このOB訪問では「別にマンガに強い思い入れがなくとも受かるのだな」と考えたのを覚えている。実際に面接を受けてみると、その逆だったのだが。OBと話す事自体は面白かったが、それほど役に立つ情報を聞いたとも思えなかったので、初年度はOB訪問をこの2回きりで止めてしまった。後になってから、もう少し話を聞けば良かったと思ったが、当時は「面倒だった」のだ。

【書類審査】
 僕がはじめて受験した会社は、テレビ朝日だった。「マスコミは難しい」という言葉ばかりが聞こえてくるが就職の実態がわからなかったので、出版社より前に採用が始まるテレビ局を受けておけば「受けないよりマシ」にはなるだろうとの考えだった。もっとも、その前にフジテレビとTBSを書類審査で落とされていた。キー局の応募者は9000人を越えると聞いた。軽い気持ちで受けに来る学生を間引くために、エントリーシートに書く内容もユニークになっているようだった。以下に、かつてのフジテレビ・TBSの書類審査の設問を示す。

●フジテレビの3大栄養素は?(各10字以内)
●あなたを生活必需品にたとえると?(15字以内)その理由は?
●桃太郎の桃はいったいどこから流れてきたのか推論してください。(300字以内)
●あなたの考える「環境にやさしい会社」とはどんなものですか?(300字以内)

●TBSでコレがやりたい(400字)
●「日本国」にお願いしたいこと(600字)
●自分をけなしながら、誉める(800字)

 やりたくもない仕事について答えるのは難しいもので、僕は「そんな事を俺に聞くな」と考えながら「資源の少ない島国である日本はIT革命を積極的に取り入れて……」などと適当にお茶を濁した意見ばかり書いていた。当然の如く書類は通らなかったが、この時は「テレビ局は行きたくないから別に気にしない」と都合よく解釈した。いま考えれば、この失敗は大いに気にすべきだったのではないだろうか。結局、書類が通過したのはテレビ朝日だけだったが、そのテレビ朝日も話す事が無かったせいか1次面接で落とされた。面接ではアニメがやりたいと言ったが、テレ朝のアニメは「ドラえもん」しか見た事が無かったので、当然と言えば当然の結果だった。

【筆記試験】
 出版社の筆記試験は「クイズ」と言っても良いくらい問題が面白く、僕は雑学が得意だったので楽しんで解答する事が出来た。筆記の準備として朝日新聞社の「朝日キーワード」を読んでおいたが、この本から出る問題は多く、筆記試験を受けながら驚いた覚えがある。もっとも、自信を持って答えられた問題3分の1くらいで、あとは選択肢を2つに絞り込んで勘で答えるしかなかったのだが。受験者が非常に多い講談社など一部の出版社は同じ問題の筆記試験を午前と午後に分けて行っているので、一部の学生は午前中に試験を受けた仲間から問題を聞きだしていた。僕は、その横でさりげなく会話を盗み聞いて試験に備えた。
以下は様々な出版社の筆記試験の一部である。常識問題は択一式のマークシートだった。

●マリナーズの本拠地があるシアトルは何州?:ワシントン州
●テロで活躍したNYの消防署の名称は?(NYFD,NYPD,FDNY,PDNY):NYFD
●日南学園の寺原隼人は甲子園何回戦で負けた?(1回戦,準々決勝,準決勝,決勝):準々決勝
●週刊ポストが裁判で清原選手に支払った賠償金額は?(100万,200万,500万,1000万):1000万円
●米百俵を戯曲化した作家の名前は?:山本有三
「作文:自分が書いて欲しい作家に宛てた原稿依頼の手紙を書いてください」
●トルシエの通訳の名前は?:フローラン・ダバディ
●1952年生まれの作家は(村上春樹、村上龍、林真理子、大沢在昌)?:村上龍
●「全ての享楽と、全ての幸福とは消極的なものだが、苦労は積極的なものだ」誰の言葉?:ショーペンハウエル
●とっとこハム太郎の登場キャラクターで一番背が高いのは(ハム太郎,のっぽくん,こうしくん,タイショーくん)?:タイショーくん
●米百俵の故事に登場する藩校を作った大参事の名前は(小林虎一郎,小林虎二郎,小林虎三郎)?:小林虎三郎

【面接】
 いよいよ面接である。「本番」である出版社の前にゲーム会社のエニックスを受けたが、面接で煙草を吸っている面接官に出会ったのは、この会社が最初で最後だった。スキンヘッドの面接官が黙々とピースを吸い続けていたのも、ここだけだった。集団面接では面接官3名の内、1人だけが質問にまわり、残りの2人は受験者の話を聞くのみ、さらにゲームに関しては一切聞かれなかったので、受験者の何処を見ているのか最後まで掴めなかった。やはり、ゲーム会社だけあって、面接もユニークなのだな、と落選を確信しつつ家路に着いた。
 次に面接を受けたのが、当時、最も行きたかった講談社だった。1次面接の形式は、3対1の個人面接だった。
「好きな作家がローレンス・ブロックと言うのは渋いなぁ、と思うんだけど」
 3人のなかで一番年配の面接官が言った。
「日本の作家で、誰か好きな作家は居ない?」
「えっ?ええと」
 いきなり答えに詰まってしまった。僕は中島らもの十年来のファンだったが、緊張していると話したい事もロクに話せなくなるもので、作家の名前が全く浮かんでこなかった。暫く考えたあと、
「あ、安部公房です」と答えた。実際は、前日に「砂の女」を読んだだけだったのだが。
「なるほど、安部公房ね……」
3人の面接官は何を思ったのか、一瞬、沈黙ができた。「マズかっただろうか」面接官の質問に適当に答えてしまった事で、僕はひどく動揺した。
「君は大学で有名な先生のゼミで勉強していたらしいけど、最近、話題の本を出しましたよね。この本についてはどう思いますか?」
追い打ちである。この本は当時、盛んに書評に取り上げられていた本だが、僕はタイトルを知っているだけで中身は全く読んだことがなかった。
「まあ、なんというかですね、その、アレはアレで良かったのではないでしょうか」
 数日後、講談社から丁寧な落選通知がハガキで届いた。

 講談社に落ちた僕は、「週刊少年ジャンプ」を発行している集英社に望みを託す事にした。講談社の反省から、集英社では自分の話したい話題に持っていけるように、あらかじめ面接での質問を予想した問答集を作って臨んだ。集英社の1次面接は、3人の面接官に受験者1人の個人面接だった。3人の面接官の内、1人だけ20代なかばくらいの若い女の人が居た。僕は内心、「若くして面接官に任命されるくらいなので、相当にマンガや本に詳しい人なのだろう」と考えていた。
 まず、40代くらいの面接官が質問してきた。
「学生時代に力を入れた事などを教えてください」
「はい、僕は大学のゼミで小説を書いたり、ゲームを制作してメーカーと商品化に向けた交渉をしたりと、作品作りに対する情熱は誰にも負けないと思っています。自分のこうした経験を活かして、少年ジャンプで人気作品を作っていきたいと考えています」
 さあ、次はどんな事を聞いてくるのだろうか。ジャンプ以外にも、ゼミやゲームの事など、どんな事を聞かれても相手が興味を持つような受け答えが出来るように準備を整えていたので、何を聞かれるか期待していた。若い面接官は言った。
「その先生は、何をしている人ですか?」
「えっ? あの、評論家です。最近、出版した本が話題になりましたよね」
「そうなんですか。じゃあ、好きな作家とかいますか?」
「日本では中島らもが、海外だとローレンス・ブロックです」
「えーっと、それは、どんな小説ですかぁ?」
「中島らもで一番好きなのは『今夜、全てのバーで』でアルコール中毒を描いた小説で、ブロックはハードボイルド小説、僕は中でも『800万の死にざま』が良いと思っていますけど」
「そうなんですか」
 そうなんですか、ではないだろうと思ったが、結局、こんな調子でどうにも話題が合わず、考えていた事をほとんど喋る事が出来なかった。
 数日後、集英社から丁寧な落選通知が届いた。

 日本の出版社で部数の大きなコミック誌を出している出版社は、講談社と集英社、そして小学館だ。この年から小学館は春の定期採用と実地試験のような選考方法と発表されていたJOB採用の2回を行っていた。僕はエントリーシートを真剣に書いたが、何故か2回とも書類で落選した。週刊コミック誌を出している出版社以外に行きたい会社が無かったので、1年目の就職活動はあっけなく失敗に終わった。

来年の就職活動まで時間があるので、筆記試験を通過していた新潮社の面接を受けた。新潮社では「フォーカスが売れてないんだけど、どうすればいいと思う?」と聞かれた。「読み物を増やすと良いのではないか」と言った覚えがあるが、フォーカスのその後を想えば「ただちに廃刊にすべきです」と答えるのが正解だったのかも知れない。その後、「日本経済新聞社 出版部門」と「プレジデント社」を受験した所、これが何故か書類選考・筆記試験・1次と2次の面接と通ってしまい、最終面接まで進んだ。しかし、昔からマンガ編集者になりたかったので、「日経ビジネス人文庫」や「月刊プレジデント」などの固い出版物を出している会社は向いていないと思っていたせいか、結局、最終選考で落とされてしまった。面接では、
「私はビジネスマン向けの書籍を通して、停滞する日本社会を変えていきたいと考えております」
 などと話していても、内心では「マンガマンガマンガ……」と考えていたのが伝わったのだろう。2社とも最終選考で落ちた時は落胆したが、来年もう一度やりなおす覚悟が出来た。

【そして、2年目】
 9月に日本経済新聞社を落ちてから、大学に残る準備をはさんで半年間の時間があった。単位は既に取り終えていたので今さら大学で授業を受ける気にもなれず、毎日パチンコばかりやっていた。ヒマだったのでパチンコに勝つための研究と技術の習得に熱心になり、年が明ける頃にはパチプロのレベルである日当2、3万円を稼ぐようになっていたが、ある時、「さすがにこのままではマズイ」と思い就職活動の準備を再開した。パチンコでプロ並みに上達する事が出来たのだから、この情熱を就職に向ければ何とかなるのではないか、との考えもあった。
しかし、後になってパチンコが就職の役に立つとは思いも寄らなかった。
 
 久しぶりに大学のゼミに顔を出した所、僕の苦戦を知っている友人が、今年出版社に内定したと言うゼミの先輩を紹介してくれた。先輩と話してみると、やはり出版社の特徴から編集者の仕事までよく知っていて、なおかつ自分の質問にわかりやすく答えてくれる人だった。この先輩と自分を比較してみると、20社ほどの企業を受けてどこの会社にも入れなかった原因は、自分に対して興味を持ってもらう努力と情報収集の甘さだったと痛感した。ちょうど大学時代の知り合いも、ほとんどが企業に内定していたので、機会がある度に就職の話を聞くことができた。僕が多くの人から指摘されたのは、「話し方にクセがあって聞き取りにくい」「具体性のある内容が欠けている」の2つだった。

その後の4月からも大学に残っていたが、学校には殆ど行く事が出来なかった。2月から小学館の入社試験が始まっていたからである。就職活動1年目は、何が何でも講談社のマガジン編集部で働きたかった。知人が講談社で働いていた関係で、少年マガジン編集部を良く知っていたからだったのだが、今年は講談社、集英社、小学館を始め、他のコミック誌を発行しているどの出版社も、面白い会社だと考えるようになっていた。数千人の応募者があるこれらの会社を選ぶ余裕が無かった事もあるが、冷静に考えてみればどのコミック誌にも面白さがあることに漸く気付いたのだ。
再受験にあたってマガジン・ジャンプ・サンデーの3誌を読み比べてみると、意外なほどに少年サンデーが面白かった。編集者が数人ついてストーリー作りに積極的に関わる編集主導型のマガジン、逆にストーリーやキャラクター作りの大部分をマンガ家に任せてマンガを作るジャンプに対して、作品作りにマンガ家と編集の双方が1対1で関わるサンデーの編集方針が、自分がマンガ編集者として働く場として一番理想的に思えたのだ。
努力の甲斐あってか小学館では初めて1次面接を通って2次面接に進んだが、そこで落ちた。面接の前に頭に来る受験者と話したので、ちょっと落ち着かなかった事もあるが、一番の敗因は面接で具体的な話が全く出来なかったことだった。具体性のある話をしようと気をつけていたので、この面接では非常に悔いが残った。

次の目標は講談社だった。今度こそは、と考えて受験の一ヶ月前にベテランの社員の方を紹介してもらい相談に乗ってもらった。自分が講談社でやりたい事や、前々から考えていたマンガの企画を話した所、「それくらいマンガについて話せるなら見込みはある」と言われたので非常に励みになったのを覚えている。特に、僕が今までにゲームを制作した経験や、コンテンツビジネスに関する論文賞を受けた事などは、これからメディアビジネスを進めていこうと考えている講談社にとってアピールできる点だと言われたのは強く印象に残った。
こうした背景もあって、講談社の1次面接には自信を持って挑んだ。事前に「3人居る内の真ん中に座っている人が『ボス』なので、皆さん頑張って下さい」との説明があった。面接官は3名、去年と同じである。ボスは女性だった。
「まず、自己PRをお願いします」ボスが言った。
「僕はコンテンツビジネスに興味があり、魅力的なキャラクターとドラマのあるストーリーを持ったマンガを少年マガジンでやりたいと考えています。コンテンツビジネスにはキャラクターやストーリーをアレンジしていく編集者の役割が重要だと思うからです」
 ボスは露骨に不機嫌そうな顔をして言った。
「それで、雑誌に対する思い入れは?」
 少し、当てが外れたように思った。この面接官は明らかに、いま自分が述べた自己PRに納得していない。
「僕はマンガの面白さはキャラクターにあると思っています。編集者がマンガの企画を出してマンガを作っていくという特徴があるマガジンでは、マンガのキャラクターやストーリーが提案できる自分の能力を活かして人気マンガを作る事が出来ると考えています」
 ボス以外の面接官は「なるほど」と言ってくれたが、中央の女性は沈黙したままだった。その後も自分の考えているマンガの企画について、自分では納得のいく説明をしたが、面接官の反応は今ひとつ良くなかった。
数日後、講談社から丁寧な落選通知が届いた。この年からは、ハガキではなくメールで落選通知が来るようになっていた。何故、自分が落とされたのか理解できなかったが、後になって編集者をやっている知人にこの話をした所、こう言われた。
「面接でキャラクタービジネスの話をする学生は割と多いので、雑誌一筋で働いてきた40歳くらいの面接官は『ああ、またか』と思うらしいよ」
「前に同じ講談社の人からは『アピールできるポイントだ』って言われたんですけどねぇ」
「それは『縁』がなかった、って事だろうね」

次に受けた集英社の1次面接では、講談社の時と話す内容は大して変わらなかったが、面接は終始なごやかに進み、2次面接の通知が来た。2次面接では、5対1の個人面接が2回行われたが、どちらの面接でもマンガについては勿論のこと、映画やパチンコ、スポーツなどの話題で盛り上がり、笑いが絶えなかった。最後に、一番年上の白髪の男性が笑いながら言った。
「いやあ、君のマンガに対する想いは、よぉくわかりました」
「ありがとうございます」

「今度こそ、通過しただろう」そう考えて期待しながら結果を待っていると、数日たって集英社から一通のメールが届いた。
【第2次面接結果のお知らせ】
このたびは第2次面接にお越しいただきましてありがとうございました。
慎重に選考させていただきましたが、まことに遺憾ながらご希望に添えない結果となりました。何卒あしからずご了承賜りますようお願いいたします。
末筆ながら、今後のご多幸をお祈り申しあげます。
【集英社 人事部人事課】

今考えれば、もう少しマンガについて具体的な話をすれば良かったのかもしれないと思う。だが、あれほど面接で盛り上がった事実は、あの「よぉくわかりました」という言葉は何だったのか。この時ばかりは「もうだめだ。まだ何か足りないのか」と深く悩んだ。その後も、白泉社の1次面接では他の受験者が10分程度で終わる所を30分も色々と質問され、あげくに「僕は、さっきの受験者同士のグループディスカッションを見ていたけど、君がリーダーだったと思いました」とまで言われたが落ちた。

こうなると、自分のやってみたいマンガ誌を発行している出版社は、あと1社だけになった。最後の大本命である。面接まで暫く時間が空いたので、それまでに出来るだけの事はやっておこうと考えて、編集者になるために役立ちそうな事に色々と挑戦した。まず気晴らしにと、パチンコメーカー主催の「パチンコ雑誌編集部対抗パチンコバトル」に読者代表として参加した。久しぶりだったので大丈夫だろうかと考えていたが、プロのパチンコライターを抑えて優勝する事が出来た。また、大学のゼミでサブカルチャー誌を作る事になり、後輩など数人と共同で初めて「雑誌」というものを自分で完成させた。さらに、以前にアドバイスを受けた大学の先輩に改めて相談した所、朝日カルチャーセンターで行われていた「編集者の学校」を紹介されて、元木先生から教えを受けた。

この会社の採用では、運良くも1次と2次の面接の質問が、殆どマンガについてだったので、相手に対してマンガの企画やコミック誌について自分の考えを伝える事が出来たと思う。また、コミック以外の質問では「雑誌対抗パチンコバトル」について聞かれることが多かったので、パチンコを通して雑誌に記事を提供する事ができて自分がどんなに感激したかについて力をこめて語り、結果として、初めて最終選考に進む事が出来た。最終選考では、「これでダメだったら仕方が無い」と開き直って挑んだ。最後の選考では、自分の大学での雑誌作りの経験と編集者の学校で元木先生からアドバイスされた「具体性のある企画を話す」という言葉、そして長い就職活動の間で山ほど考えていた「編集者になったらやってみたい企画」が役立ったと考えている。

 「最後の大本命」社から健康診断を受診する旨の電話が掛かってきたのは、就職活動2年目のある日だった。十数ヶ月間続けた就職活動が終わった。最終選考を控えて食事がのどを通らなかったせいだろうか、健康診断で体重を量ってみると2キロ痩せていた。

#08 面接のコツ Vol.2 「君、うちには来ないでしょう」03.03.04up

引き続き、面接のコツ。TBSブリタニカのGさんにアドバイスをいただきました。面接の基本的姿勢は必見です!!

<Gさんのレポ-ト>
「君、うちには来ないでしょう」
「……(このおっさん、鋭い)」
 ある専門誌(出版社)の面接でのこと。私服でタバコを吸いながら、面接するというよりは品定め。どんなことを聞かれ、どんなことをしゃべったかもほとんど覚えていないが、この会社はこれで無理だなと思ったことと、おっさん(面接官)とのこの会話だけは鮮明に覚えている。
 内心では「内定を出そうと思うけど、君は入社してくれるか」とでも聞けよと思っていた。では実際に聞かれたら、たぶん「分かりません」と正直に答えていたと今でも思う。理由も説明しただろう。何しろまだ大手出版社が残っていた(笑)。これが本音。可能性にチャレンジしたいと誰もが思うはず。
 何しろ、時あたかもバブル経済真っ盛り。面接すればどこでも内定が出た、引く手あまたの売り手市場。どこか強気があったのかもしれないが、それ以上に、「出版社に入社できるかは運である」という考えが根底にあった。もし運と縁があれば、どこかの出版社が拾ってくれるはず……、と。
       ※
 マスコミ受験は「運と縁」を強烈に意識をさせられたのが、学生時代に兄のマスコミ就職活動をじっくり見ることができたから。兄はテレビ局のアナウンサーから新聞社、出版社に至るまで手当たり次第に受験していた。
「おいおい、本当は何をしたいんだよ、どこに行きたいんだよ」
 と思うほどだった。いわゆるマスコミ受験の勉強(作文・漢字・一般常識・英語など)は一生懸命していたと思うが、筆記が突破できない、最終面接までいっても内定が出ないなど、マスコミへの就職は難しい印象だけが残った。そして勝手にたどり着いた結論がマスコミ受験は「運と縁」。もはや勉強しても仕方がない(報われない)と、なかばあきらめバイトに精を出す日々だった(笑)。

 マスコミ受験は「運と縁」だと結論づけた学生のマスコミ受験対策は、どう面接を突破できるか、を考えることだった。本番は面接。しょせん人間対人間。好き嫌い、相性もある。であれば、面接でいかにいい印象を持ってらえるか、こいつ採ろうと思ってもらえるかだろうと考え、開き直っていた。
 自己PR、自分をアピールできるものを学生時代に最低一つは作っておくこと。これはマスコミに限らず面接で応用がきく。自身の経験は恥ずかしくて公表はしないが、学生時代に何をやってきたか、何に熱中してきたか。面接官がちょっと聞いてみたいと思うようなものがあるといい。マスコミだからと奇をてらう必要はないと思う。
 面接での基本的な姿勢は、誠実であること、正直であることを心がけた。自分をよく見せたいものだが、嘘はつかない。面接でボロを出す可能性もある。
「これで最後」と悲壮感たっぷりで面接しても自分のありままの姿をみてもらえることはできない。余裕たっぷりがいいとは思わないが、適度の緊張感のなかで、自分という人間をアピールする面接を心がけたほうがいいのでは。
        ※
 前出の兄は「縁」あって、専門書の出版社で働いている。

 

#07 面接のコツ Vol.1 「一本筋を通す」03.03.04up

共同通信の編集者Fさんに面接のコツを教えていただきました。編集者への道のりは一筋縄ではいかないですが、先輩に負けないように頑張りましょう。

<Fさんからのアドバイス>
1.心構え

「この会社に入れたらいいなぁ……」ではだめ。
「この会社に入って、●●がしたい!」と強く思うことが大事です。

2.一本を筋を通す

わたしの場合、スポーツ記者になりたかったので、自己紹介から志望動機、最近興味のあることなどすべてスポーツにからませました。会社の人間関係を、トルシエ監督と中村俊輔ら選手たちに例えたり。不景気でも自分らしくあるために、新庄選手の話をしたり。

3.練習と本番

ぶっつけ本番で本命の会社では、緊張してしまう可能性も。ですから練習は大切です。そこから反省材料をみつけ、本番に生かせれば最高です。

4.OB訪問

しました。直接採用にかかわるリクルーターにもお会いしましたが、そんなことよりもいろんな人と話すことで、自分の考えを伝える練習になります。なにより社会人と話すのは刺激を受けます。

5.落ちて落ちて落ちて

何社も受けて、何社も落ちます。それが就職活動の一面です。でも入社するのは結局1社。そう考えれば、本当に入りたい会社に受かればいいんです。わたしの場合、少なくとも50社は受けました。エントリーなら100社以上です。でも採用してくれたのは、今の会社を含めわずか2社です。落ちて、クヨクヨしてもしかたありません。

大事なのは、どこで働くかより、何をするか。
幸せになれるように、自分の好きな会社にすすめることを祈っています。

 

#06 レポート Vol.2 「講談社説明会」03.02.24up

参加者のEさんに今年の講談社の質問会の雰囲気を伝えてもらいました。

<参加者Eさんのレポ-ト>
17日13時からの週刊誌・女性誌・ノンフィクション広告・販売促進の回の講談社説明会に行ってきました!他の企業の説明会と違い、社員の方も学生も肩の力が抜けた感じで、とても質問しやすい雰囲気で良かったです。質問が始まる前の待ち時間に、司会の人事の方が「始まるまで隣の人と情報交換などして、わいわいしてて構いませんので」と仰ったので驚いたのですが、そのおかげでそれまで静かだった会場が急ににぎやかになり、私も隣の女の子と色々話すことができました。

質問の方も、「なぜ週刊誌の表紙はどこも同じようなデザインなのか」「さっきもらった会社案内に載っていた“意地悪な質問”を、逆に社員の方に答えてもらいたい」など、色々な質問が飛び出てとても面白かったです。帰り際、前後を歩いていた学生達が口々に「楽しそう!」「入りたい」と言っていたのですが、私も同感でした。

 

#05 レポート Vol.1 「小学館筆記試験」03.02.24up

参加者のDさんに今年の小学館の筆記試験のレポートを書いてもらいました。試験の雰囲気が伝わってきます。

<参加者Dさんのレポ-ト>
 小雨がぱらつくなか、中央大学の記念講堂を借りての小学館の試験。午前と午後の二回の試験があるようで、受験番号から午前だけでも600人近い受験者がいることがわかった。ESをもとに、1200人ぐらいに絞ったのだろう。

 試験の内容は盛りだくさん。9時過ぎから、2回の休憩を挟み、13時過ぎまでの長丁場。この早い時期にして、既に就職試験の集大成といったところか。良い経験にはなった。

 初めの70分はSPI。30分40題の論理・国語問題と、40分30題の計算問題、という二部構成。きっちり時間がわけられており、30分が経たないと次に進めない。論理問題は時間が余ったが、後半の計算は時間が足りなかった。事前の対策の甘さが悔やまれる。

 中盤は三題噺。だが小論文という大方の予想を裏切り、問題用紙には「物語を創作してください」と書いてあった。分量は1200字。時間は60分。テーマは「査察・プチ・臨機応変」。随筆のような、小論文のような、なんとも言えない内容のモノで濁した。ただ、あの時間でプロットをたてて、小品を書ける人間はそうはいないだろう。我ながら内容はまとまっていたと思う。

 最後は一般教養。40分80題。K1で優勝したことの無い選手は?(選択肢よりA.ボブサップ) 明智小五郎の相棒は?(A.小林少年。選択肢に20世紀少年) ニュースで出てくる30兆円は何の枠?(A.国債発行枠。選択肢に小学館の人事採用予算) 嵐で最年長なのは?(A.大野クン)など、お茶目な問題も多かった。デキはそこそこ。

 会場は空調がきつく、かなり暑かった。長時間であったため、体力も消耗した。これがあと数ヶ月続くのだ、と思うとげんなり。適宜、気分転換をしていかないと続かないだろう。就活ブルー(早い時期に志望業界に落ちると、士気が続かなくなる)というのが存在することもよくわかる。いっそのこと、センター試験のような統一試験をやって欲しい、とすら思った。

 

 

#04 志望理由書 「活字が好きだから志望しました」03.02.17up

参加者Cさんは高校、大学と出版に関る活動を行なってきた経験があります。Cさんと元木校長の対話は雑誌や小説が好きなこと=(イコール)出版社が欲しい人材にはならないという現実の厳しさが伺えると思います。

<参加者Cさんの質問>
出版社というものに漠然とした憧れがあったことから始まりました。憧れは、活字を扱うことが特権的なものに見えたことに由来します。高校時代に新聞委員会に所属し新聞を作っていた頃、新聞の内容はひどいものでしたが、自分の書いたものが活字となることに感動し、またそれが快感でもありました。

その後、大学に入り大学の機関誌作りを手伝う機会がありましたが、そこでは、高校時代のような快楽は得られず、満足も得られませんでした。理由を考えると、面白いものを作っていなかったからということが考えられます。ここでいう面白いものとは、本当に独りよがりで自分が満足できればいいというものでしかありません。本当はどんな環境でもどんな雑誌でも、携わる限りにおいては、自分の最高のものを作るべきであり、うだうだ言う前に書くべきだったのですが、そうできなかったことを悔やんでいます。一方、自分の所属しているゼミのほうではコラムを書き、先輩方からダメだしをされ、勉強をしていました。こちらでは、書きたいことが書けて、それについてきっちりダメならダメ、イイならイイと評価してくれるためにしっかりと書くことが出来ました。

就職活動を始める時期になり、自分がどの道に進むかを決めるにあたりそう迷うことはありませんでした。活字に携われる仕事として、出版社を選んだわけです。しかし、一方で出版社にはいり好きなことが必ずしも出来るわけではないという不安もあります。この前の面談のときにこのことを指摘されてしまいましたが、この不安をどう解決するか考えてみました。それで出た答えは以下の通りです。

1、好きなことの枠を広げる。
2、活字に携われることだけで満足し、仕事としてこなす。

今のところ自分で考えられる解決策です。気が早いようですが、考えられるときに考えておこうと思って考えてみました。

■■■■元木校長のアドバイス■■■■
Cくん
自分のやりたいことが見定められた人間のみが持つ悩みを、悩みと思ってはいけません。出版社を受けにくるほとんどの人間の志望動機が、漠然とした、編集に対するあこがれや、何でもいいから出版という仕事に関わりたい、または、給料がそこそこよさそうだし(さっこんはどんどん下がっていますが)というものです。貴方のように、これしかないという目標を持った人は、面接をやっていても頼もしいとは思います。しかし、ちょっと気になったのは、やりたいことがはっきりしている人は、出版社にとっても、採るか採らないかがはっきりするのです。全体でも数人しかいない部署に行きたいと言われても、その部署への適正だけを見て採否を決めるわけではありません。入社して5年ぐらい、またはもっと時間をかけて、その人間の適正を見て、最終的な“適材適所”を決めるのです。(最近はそこまでの余裕が無くなってきていますが)そこでどうするか。自分が入社してやりたいことを堂々と主張することはプラス点にはなります。しかし、そこだけでしか使えない人間だと思われないように、気を付けることです。これしかやりたくないと言っていた人間が、偶然、配属された部署で生き生きと仕事をしているケースは、よくあることです。あるところまで自己主張して、後は人生にまかせることです。そういった気持ちになれば自ずと態度に出て、面接する方にもわかるものです。何度もいうように、純文学の専門家や哲学の専門家を採用しようというのではないのです(もちろんそういう出版社もありますが)。編集者として優秀な“素材”を探すために採用試験をするのです。面接では、編集者の素材として、いかに自分が優れているかを短い時間でPRするべきです。
頑張って!元木昌彦

 

#03 質問 Vol.2 「グループ討論の秘策は?」03.02.17up

参加者Bさんは一生<文学>に携わっていたいので、「出版業界は、作家・ライターと社会とのつなぎの役目を果たしている」との考えから出版業界を志望しているとのこと。そんなBさんから次のような質問が来ました。

<参加者Bさんの質問>
2月24日(月)にPHPの企業セミナーに参加することにしたのですが、約2時間の説明会後、「第一次選考として」グループ討論をするとのことでした。PHPの本なんて一冊読んだくらいで、持っている知識といえばホームページの内容程度のものです。
ディスカッションそのものには自信があるのですが……。
具体的に対策することはあるんでしょうか?
果たして何を討論するつもりなのか……。
そもそもグループ討論って一体……??

アドバイス等ございましたら、是非ともお願いします。

■■■■元木校長のアドバイス■■■■
いよいよ本番ですね。
グループディスカッションのテーマは、どこの出版社でも、それほどの専門的な知識を必要としないものが出されるはずです(専門書などを出しているところは別ですが)。
一昨年だったと思います。私の担当のグループディスカッションで「バーミヤン」という題を出したところ、「それってファミレスのことですか?」と聞いた学生がいましたが、その人は落ちました。それほどでないなら、集団討議で見るのは、その人間が、他人の意見をきちんと聞いているか、そのうえで、自分の考えをまとめられるかどうか、考え方、切り口などに加えて、協調性はあるか、リーダーシップがあるか(無理にリーダー役をやる必要はないが)、しゃべっているときの態度はどうか、などを面接官は見ています。
最初に指名されれば別ですが、少しその席の議論を聞いてから発言するほうがいいと思います。「夫婦別姓は是か非か」のように反対、賛成に別れて議論をして下さい、というときもありますが、自分がそれに対してハッキリした意見を持っているなら、早めに発言したほうがいい。が、そうでないなら、少し議論の行方を見てからしゃべるほうがいい。
いまさら勉強することはないが、去年一年間で、その社が出したベストセラーには何があるか、その会社が出した出版物で、世間で話題になったことはあるか、その社の出している出版物の傾向、などは調べておいたほうがいいでしょう。

GOOD LUCK!
元木昌彦

 

#02 質問 Vol.1 「一人前の編集者になるための必読書は?」03.02.10 up

参加者Aさんは中国人で現在北京の外国語大学の大学院生。今年の3月から社会人になるのですが、将来の夢は編集者ということで今回企画に参加してくれました。そんなAさんからの質問が本企画の最初の質問です。

<参加者Aさんの質問>
わたくしのような、編集者以外の仕事をやりながら、編集者になろうとする者に対して、編集者になるための良い参考書を二、三冊紹介していただければ、とてもありがたいと思います。また、いま編集者以外の仕事をやっておりますので、日常の日々をどのように利用して、一人前の編集者になるように自分を鍛えればよろしいか、についても教えていただきいです。

■■■■元木校長のアドバイス■■■■
中国から申し込みをもらうとは、IT時代のよさですね。2月下旬に日本に来たら、ぜひ会いましょう。まず、質問の第一番目、編集者になりたい人が読む本は、

1.「編集者の学校」(私が編んだもので講談社から出版しています)
2.松田哲夫著「印刷に恋して」(晶文社刊)
3.日本エディタースクール編「標準 編集必携」

などです。二番目の編集者になるためには何をするか。
編集者に特別な勉強はありません。日々、本を読む、新聞を読む、音楽を聴く、映画を見る、何にでも関心を持って、足を運んでみること。旺盛な好奇心、腰の軽さ、自分が感動したことを他人にも伝えたいという強い思い、これが編集者に必要な素養です。

中国の最新事情など書いてメールをください。がんばって。

元木昌彦