「ロータス・エスプリ(初期型)」がカーボンボディで蘇る! 英Encorが究極のレストモッド「Series 1」を発表

1975年のパリ・モーターショーでの衝撃的なデビューから50年。英国の新興コーチビルダー「Encor」が、名車ロータス・エスプリを現代技術で再構築した「Encor Series 1」を発表しました。カーボンファイバー製ボディとV8ツインターボを纏い、世界限定50台で生産されます。


「敬意ある進化」を遂げた21世紀のエスプリ

英国チェルムスフォードを拠点とするEncor社は、2025年12月、ロータス・エスプリS1(シリーズ1)をベースにしたレストモッドモデル「Encor Series 1」を公開しました。

同社が掲げる哲学は「Respectful enhancement(敬意を持った進化)」。ロータス「エミーラ」の元リードデザイナーであるダニエル・デュラント氏を含む、アストンマーティンやケーニグセグ出身の精鋭チームが開発を担当。「文化的遺産としての純粋さを損なうことなく、現代のクラフトマンシップと性能を与える」ことを目指して開発されました。

フルカーボンボディによる軽量化と剛性アップ

最大の特徴は、オリジナルのグラスファイバー製ボディに代わり採用された、オートクレーブ成形のフルカーボンファイバー製ボディシェルです。 最新のデジタルスキャン技術を用いてオリジナルの形状を解析し、当時の特徴的な「2分割モールドライン」を廃止。滑らかで精度の高い表面構成を実現しました。

象徴的なウェッジシェイプ(くさび形)のデザインはそのままに、ホイールアーチやショルダーラインのエッジを現代的に再解釈。ヘッドライトはエスプリの魂とも言える「リトラクタブル式」を継承しつつ、超小型LEDプロジェクターを搭載することで、空力性能と現代的な表情を両立させています。

V8ツインターボ搭載、車重は1,200kg切り

美しいカーボンボディの下には、ロータス・エスプリV8のバックボーンシャシーが隠されていますが、その中身は別物です。 搭載される3.5リッターV8ツインターボエンジンは、鍛造ピストン、新型ターボチャージャー、最新の燃料噴射システムなどで完全にリビルドされ、最高出力は約400bhp、最大トルクは350lb-ftを発揮します。

特筆すべきは、1,200kg未満という目標車両重量です。これにより、0-62mph(約100km/h)加速は4秒、最高速度は約175mph(約281km/h)に達します。

トランスミッションは、オリジナルの5速マニュアルをベースに、Quaife社と共同で強化インプットシャフトやLSD(リミテッドスリップデフ)を組み込み、現代的なシフトフィールと耐久性を実現しています。また、ステアリングはあえて電動化せず油圧アシストを残すことで、「アナログな操作感」を徹底しています。

アナログとデジタルの融合したインテリア

インテリアも「過去と現在のバランス」をテーマに刷新されました。ビレットアルミニウムから削り出されたフローティング・メータークラスターには最新のデジタルディスプレイが埋め込まれていますが、全体的な雰囲気は70年代のコクピット感を色濃く残しています。

インフォテインメントや空調システムは、同社のパートナーであるSkyships社が開発し、主張しすぎないよう控えめに統合されています。共同創設者のサイモン・レーン氏は「このクルマの心臓はアナログです。テクノロジーは体験を支配するためではなく、高めるために存在します」と語ります。

価格は約8,300万円から、デリバリーは2026年Q2

「Encor Series 1」は世界限定50台の生産となります。 価格は**43万ポンド(現在のレートで約8,300万円)**からスタートしますが、これには税金、オプション、およびベース車両となるドナーカー(エスプリV8)の費用は含まれていません。

生産は英国チェルムスフォードの本社で行われ、デリバリーは2026年第2四半期から2027年にかけて行われる予定です。


【スペック概要】Encor Series 1

  • ベース車両: ロータス・エスプリ V8

  • ボディ: フルカーボンファイバー

  • エンジン: 3.5リッター V8ツインターボ(リビルド)

  • 最高出力: 約400bhp

  • トランスミッション: Quaife製強化5速MT

  • 車両重量: 1,200kg未満(目標値)

  • 0-100km/h加速: 4.0秒

  • 生産台数: 世界限定50台

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