ヤマハの海外開拓部隊「OMDO」とは? 世界140の国と地域が相手のダイナミックな仕事に迫る!
日本のモビリティメーカーは古くから海外市場を重視し、世界各地で日本製の乗り物が活躍している。その中でもヤマハ発動機は特に海外展開に積極的で、通常の営業部門とは別に、国際協力なども担う「海外市場開拓事業部」を設けている。部署の英語名である Overseas Market Development Operation Business Unit の頭文字を取り、通称「OMDO(オムド)」と呼ばれている。今回は、未開の市場に挑むユニークな部門「OMDO」にスポットを当てて、ちょっと変わったその活動に注目してみよう。
TEXT:小林 和久(KOBAYASHI Kazuhisa)/PHOTO:小林 和久(KOBAYASHI Kazuhisa)・ヤマハ発動機(Yamaha Motor Co., Ltd.)
ヤマハ発動機の売上9割は海外マーケット
ヤマハ発動機は、いまや日本発のメーカーという枠を超え、世界を舞台に活躍するグローバル企業として存在感を放っている。バイクやマリン製品などの主力事業はいずれも海外市場で高い評価を受けており、その収益構造も日本国内とは大きく異なる。実際、同社の売上構成を見ると、その9割以上が海外市場によって支えられているというのが現実だ。以下に示すのは、地域別の売上比率である。(2024年12月期 地域別売上高より)
- アジア(39.1%)
- 北米(23.6%)
- 欧州(13.6%)
- 日本(6.3%)
- その他(17.4%)
上記の売上比率が示すように、同社はグローバル市場での展開に力を入れている。そのため、「海外を舞台に活躍したい」という志望動機を持って入社を目指す人も多い。
歴史を紐解くと、1955年に日本楽器製造株式会社(現ヤマハ株式会社)からオートバイ部門が独立して創業した3年後の1958年には、アメリカ・カタリナ島で開催された第8回カタリナグランプリレースに国際レース初出場で6位入賞。同年、メキシコに日本楽器製造が海外現地法人「ヤマハ・デ・メヒコ(Yamaha De Mexico S.A. de C.V.)」を設立し、楽器とともにヤマハ発動機製品の販売を開始している。
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