初代トゥインゴがEVで復活!
ルノーは2025年11月6日(現地時間)、かねてから期待されていた新型コンパクトEV、「トゥインゴ E-Tech エレクトリック」を正式発表しました。1990年代に一世を風靡した初代トゥインゴのDNAを色濃く受け継ぎながら、価格は2万ユーロ(約350万円)未満という驚異的な設定を実現。欧州の都市型モビリティ市場に新たな風を吹き込む、「アイコンの再来」として大きな注目を集めています。
初代の“キュートな笑顔”をEVで再現
新型トゥインゴ E-Tech エレクトリックは、そのデザインが最大の特徴です。初代が持っていた、どこか愛嬌のある「ニッコリ顔」と称された丸目ライト、そして最大限の室内空間を確保するためのワンボックス的なフォルムを現代に蘇らせました。
全長わずか3.79mのコンパクトなボディながら、ホイールベースを最適化することで、都市部で求められる取り回しの良さと、大人4人が快適に過ごせる居住空間を両立。ルノーはこれを「AセグメントながらBセグメント級の広さ」と表現しており、シティカーとして非常に優秀なパッケージングを実現しています。
2万ユーロ未満を実現した「戦略的EV」
この新型EVの最大の使命は、「持続可能なeモビリティを手頃な価格で提供する」ことです。
ルノーは、厳しい規制とコスト増で多くのメーカーが撤退した欧州のAセグメント市場を、あえて「成長の機会」と捉えました。開発期間をわずか2年間という記録的なスピードで達成し、さらにコバルトやニッケルへの依存を減らしたLFPバッテリーの採用や、「セル・トゥ・パック」技術の導入により、バッテリーコストを大幅に削減。この戦略的なコスト管理により、2万ユーロ未満という衝撃的な価格帯を実現しています。
パワートレインは、都市での使用を割り切った最高出力60kW(約82PS)の電気モーターを搭載。航続距離はWLTPモードで最大263kmを確保しており、日常の通勤や買い物には十分な性能を持ちます。
生産はスロベニアのノヴォ・メスト工場で行われ、欧州市場では2026年初頭の発売が予定されています。日本市場では2023年にトゥインゴの正規輸入が終了していますが、このチャーミングで戦略的な新型EVの日本上陸にも期待が高まります。