スーパーGTで、NISMOの「スポンサー」になったらできることを体験しました

日本の最高人気モータースポーツには何がある?

日本の最高人気モータースポーツであるスーパーGT。人気があるってことは、そこに広告効果があると判断する人たちも大勢いることでしょう。

さて先日、スーパーGT参戦チームの「スポンサー」になった気分を少し味あわせていただきましたので、どんな特典があるのか、見てみましょう。

今回お邪魔したステージは、「2024 AUTOBACS SUPER GT Round6 SUGO GT 300km RACE」、そして体験させていただいたのは、その参戦者の中でも名門中の名門である日産のワークス「NISMO」です。


2024 AUTOBACS SUPER GT Round6 SUGO GT 300km RACEスタートシーンの映像も室内モニターで観戦できます

NISMOが関連するGT参戦車両に金銭面でのサポートはもちろんですが、それだけでなく、レースに使用するパーツなどわかりやすく関連するものの供給や、レース活動に付随する様々なサービスの提供、あるいはレーシングドライバー個人へのスポンサーなどもあり、思い入れは様々です。

そんなNISMOのスポンサーになると、サーキットへのVIPパスでのご招待をされることがあります。年間何回とか何人とか、そのあたりはスポンサードしている方法などによってシーズン初めにおおよそ振り分けられているとか。

そのVIPパスがあると、ピットビルの上にあるそれぞれのチームのためのホスピタリティルームへと入ることが出来ます。

そのチーム専用の個室には、NISMOの場合、個別に席が用意され、ソフトドリンクやお菓子、それにお食事などが用意されています。

関連する日産系レースアンバサダー(旧レースクイーン)もちょいちょい出入りしており、目の保養にもなりますし、場合によっては仲良くなれるかもしれませんね。

ホスピタリティルームはピットの上にあり、ホームストレートとピットロードを上から目線で見ることが出来ます。今回の土曜日は、午後からの予選が中止になってしまうほどの雨だったのですが、濡れることなくスーパーGT観戦をすることができました。

雨の中、ファンの皆さんがピットウォークを楽しんでいらっしゃるのを室内から見た様子

さて、日曜日も午前中は雨。予選は土曜日午前中の練習走行のタイムを基準にグリッドを決定されるという、チームによってはあり得ない判断となっていました。今日もまた、美味しいお弁当をいただけるなあ、と思っている矢先、様々なレーシングスーツに身を包んだドライバーがわさわさと入ってきました。

どうやら日産関連のドライバーたちがスポンサーに挨拶にやってきてくれたようです。決勝間近の貴重な時間、メンタル面での緊張もあるでしょうが、スポンサーさんへの配慮としてはこれ以上ないタイミングでしょう。各自、場合によっては軽いユーモアも交えつつ、決意表明をして決勝戦へと望んでいきました。

天候のためスケジュールの大幅な変更があり、グリッドウォークはわずかな時間しかありません。グリッドにはGTマシンやドライバーはもちろん、メカニック、レースアンバサダー(旧レースクイーン)、その他関係者で溢れており、写真を撮ったり挨拶をしたりと、ファンが一番お気に入りのチーム、選手に近付ける時間です。

一般にはなかなか入ることが許されないピット内も見学できました

スケジュール変更により、そんな楽しいグリッドウォークの時間もあっという間に終わってしまい、決勝がスタートしました。

NISMOのホスピタリティルームに戻った我々は、サーキット会場内のオフィシャル映像、順位、それにチーム独自のオンボード映像をモニターで観戦できます。

NISMOアンバサダー柿元邦彦さんのお話を聞いてレースが好きになる!

そして、長年日産でレース一筋、NISMO総監督も務めていらっしゃったNISMOアンバサダーの柿元邦彦さんによるレース解説をお聞きすることができました。

1945年鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部機械工学科卒業、日産自動車入社。モータースポーツを担当する特殊車両部にて、ラリー・レース仕様エンジンや車両開発に従事。世界ラリー選手権のサファリラリー、RACラリー、1000湖ラリー等にエンジニアやマネージャーとして参戦。その後ニッサンモータースポーツインターナショナル(株)(NISMO)へ出向、日産の次長、部長を経て再びニスモへ転籍。2004年~2015年日産系レーシングチームの総監督を務めル・マン24時間レース総合3位、スーパーGTのシリーズチャンピオン獲得率5割の実績を残す。この間2008年から東海大学工学部教授も兼務し、日本自動車連盟や自動車技術会でモータースポーツ行政に関わる要職にも就いた。2008年にニスモ常務取締役を退任し、スーパーバイザーを経てアンバサダーを務める

中でも「菅生には魔物が棲む(=思った通りのレース運びにならない)」と言われる所以(ゆえん)など興味深く、レースに詳しくなくても、まさに私がそうなんですけど、貴重な御本人やチームのエピソードを交えつつ、興味深く語ってくださいました。

柿元さんが如何に熱い思いで冷静にレースと真摯に向き合ってきたかが伝わってきました。そのお話っぷりも見事で、経歴からご年齢を想像すると、さらにビックリです。

僕自身は自動車メディアの仕事を三十数年続けてきましたが、なぜかレース業界とは距離が縮まらないどころか周回遅れになっていますが、少し違った位置、まさに裏と表からスーパーGTを見せていただき、このイベントに熱中する気持ちがかなり伝わってきました。やっぱり面白いから日本の一番人気レースになるんですね。

もし、ウチの会社が成功したら、ぜひどこかのスポンサーになってみたいと思います!

(文・写真/小林和久)

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