高騰する旧車は四輪も二輪も
4輪旧車の価格高騰が続いています。ハコスカ、ケンメリなどは数千万円、トヨタ2000GTが億単位の価格になっているのはまあ仕方ないような気がしますが、普通のR34とかでも数百万円の値段が付いています。これは、2輪でも同様で、ホンダCBX400Fなど500万円前後から1000万円近い値札が付けられています。
しかし、YouTubeなどを見ると、まあ高いお金出してフルレストアだと書いてあったものの、実際は何もやってないものを買ってしまった、などというものも多数見られます。まあ、レストアってポリシーがそれぞれで、できる限り当時のものを使うという考えや、現在の部品を使っても快適に走って普段遣いもできるようにするものまで、様々です。
では、メーカーがレストアする場合はというと、ヤマハ発動機では「新車の状態」をなるべく再現するとのこと。
要交換の場合、純正パーツがあればもちろんそれを使うわけですが、純正部品は同等性能で形状が違うものに置き換わることもあり、そういった場合は悩みどころで、明らかに外から見えない場合は使用することもあるけれど、見える場合は試作部門に作ってもらうなどなんらかで対処するそうです。
さて、そういったエピソードやレストアラーたちの思いを綴ったレストア工場の取材記事はこちらでお読みいただくとして、実は気になっていたことがありました。
80年代のバイクブームを牽引した1つが映画『汚れた英雄』です。
映画はヤマハ発動機の完全バックアップで撮影されました。草刈正雄さん演じる北野晶夫の走行シーンは主に当時伸び盛りだった平忠彦選手が代役を任されたと言います。
汚れた英雄カラーの謎
レストア工場にて取材終了間際に、「汚れた英雄に関する車両はありますか?」と聞いたところ、教えていただいたのがYZR500でした。映画の原作を出版していた「KADOKAWA NOVELS」のステッカーが貼られています。ただし、どうやら映画のヒット後に、このステッカーは貼られたようで、汚れた英雄に登場するTZ500に似たようなカラーリングですが、実際には関係はないようです。
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こうやって比べると、似ているるようで違ってましたね。
タミヤから「1/12 ヤマハ YZR500 (OW70) 平忠彦仕様」として発売されていました。


しかし、TZ500については、1冊丸ごとレーサーマシンを取り上げるムック本、RACERS(レーサーズ) Vol.76 Vol.76YAMAHA TZ500‘80-‘82によると、こちらは映画に合わせたカラーリングされたのではないか、との考察があります。
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汚れた英雄に供されたTZ500は3台だったのではないかとファンの間では噂されていますが、その後、その実車がどこに行ったかは謎です。果たして現存するのか? 少なくともレストア工場にはありませんでした。もしかすると、コレクターが密かに入手して保存してあるとか?
いずれにしても、ヤマハは夢を与え続けてくれました。そのDNAは今の社内にも流れているのだと思います。モータースポーツ、製品、スポーツなどなど、これからも夢と感動を創造し続けてくれるのでしょう。
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(小林和久)
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