スピリット・レーシングのエアロ「単体で売ります」宣言も飛び出した!
1100台のロードスターと2500人の来場者で盛り上がった。ロードスター軽井沢ミーティング2025は、先週の降水確率100%予報から、なんと奇跡的に晴れ間も見せるイベントとして今年も開催されました。毎年オープンカーにふさわしく晴天となるのがジンクスのようなイベントです。
今年は会場内に初お披露目となる車両はありませんでしたが、マツダスピリットレーシングの2リッター幌モデル、200台限定車ともう少し量産されるはずの2台が展示されました。それらの車両のデザインを担当したマツダデザイン本部の諫山さんとロードスター開発主査の斎藤さんが登壇しました。諫山さんは2代目CX-5やCX-8などのチーフデザイナーを務めたかたです。
まず、マツダスピリットレーシングとは2021年からスーパー耐久に参戦するマツダのモータースポーツブランドとしてスタートしました。本体とはちょっと違う。モータースポーツのスピリットをコアに持つサブブランドで、この二台のように車両開発にもそのテイストを盛り込んだ特別な車両もリリースされていくわけです。
諫山さんは、この車両全体のデザインを取りまとめたわけで、エアロのどの部分が実効としてどのように効くのかを解説します。
中でも興味深かったのは、リヤスポイラーの凹んだセンター部分。この部分は、後方からのトランク前方にあるハイマウントストップ、ランプの視認性要件をクリアするために切れ目として高さを抑えられているわけですが、当然それは空力にも影響します。そこでスポイラー切れ目の左右部分をわずかに盛り上げることで、リヤダウンフォースが抜けないようにした機能のためのデザイナーなわけです。
諫山さん自身テストドライバーの助手に乗り、ニュルブルクリンクを走りながらエアロの効果を確認したそうです。羨ましいですね。
そしていよいよ、このエアロは発売されるのかとの質問に対し、諫山さんが答えに躊躇していると、後ろから斉藤主査が「発売します」と断言!諫山さんは言っていいんですかと戸惑ってますが、斉藤主査はもうリリースで発表してますから、とおっしゃいます。
確かにリリースには、アフターマーケットでもマツダスピリットレーシングのパーツはスポーツマフラー、タイヤ、アライメントキット、ブレーキキットなど販売していくと宣言されていますが、エアロが発売されるなどとは明記されていません。しかし斉藤主査はグリルもエアロも販売しますと口を滑らせてくれました。ファンを前にしたサービス精神でしょう。
主査が言っちゃったもんだから、担当の諫山デザイナーも「グレーのエアロは200台限定のマツダスピリッツレーシングロードスター12R専用ですので、パーツとして市販されるとなると黒になります」とバラしてくれました。
カラーの話題ではさらに、量産型のボディーカラーは、ポリメタルグレーですが、現状のロードスターカラーラインナップにその色はありません。では、しかし、それがマツダスピリットレーシング専用なのかどうなのか微妙なところで疑問に思います。この件に関しても諫山さんは「どうなるのかはまだ未発表です。でも、斉藤主査に聞けば、何か喋るかもしれませんよ」と振っちゃいました。すると斉藤主査はズバリ「復活します」と断言。ポリメタルグレーが欲しかった…という人は、少し待ってみるのもいいかも知れません。
また、マツダスピードレーシングはサーキットでも楽しむのがコンセプトならば、サーキットのみでリミッターカットはできるのか?との質問に対し、斉藤主査は「できます」と嬉しい回答とともに場内はおお!と盛り上がりますが、すぐに「ただし普通のロードスターではできません」とも名言。場内は一瞬にして、なーんだ、、、とちょっとがっかり。
このように、30年以上の歴史を持つファンの手に寄ってファンが集まるロードスター最大のイベントに対し、敬意を表して、メーカーも最大限のサービスをして答えられるギリギリを出してくれているといえます。
ロードスターファンはもちろんファンミーティングはどんなものか知りたいと思う方は、ぜひ来年以降の軽井沢ミーティングに参加してはいかがでしょうか?
(小林和久)
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