■納車時に教わったA110の飼い方マニュアル
2024年3月某日、いよいよ納車の日がやってきました。2023年3月の発注から、なんだかんだで1年間も待ってしまいました。
普通のクルマと違うところは? 注意すべきは? オーナーズマニュアルには出てこない、ちょっとしたコツなどを交えてA110の扱い方をお知らせします。
仏車ゆえに仏滅ではないことだけを一応確認。そんな納車の日がやってきました。アルピーヌセンター東京有明へと向かいます。すると、ショールーム内に自分が選んだ希望ナンバーが付けられたA110が展示車両のように飾ってあるではないですか!
そうなんです。この店舗では、納車の日はアルピーヌ専用の展示スペースを貸し切りにしてくれて、契約内容の確認の後、自分自身の実車を使った各種操作説明などを行ってくれるのです。
そこでお聞きした取り説に書かれていることだけじゃない、A110付き合う上でのちょっとしたコツや注意点をお伝えしましょう。
まず、アルピーヌセンター東京有明の井上さんからキーを受け取り、ドアを解錠します。A110には他のルノー車同様にカードキーが2つ付属します。ところがこのキー、スマートキーではないのです。一般のルノー車は、キーを持っていれば近づいたり離れたりでロック/アンロックが自動的に行われます。しかしA110のそれにはリモコンキーの役割しか与えられていません。ですので、エンジンを掛ける際も、カードキーをインパネ助手席前方のスロットに挿さなくてはなりません。どうやら本国フランス仕様にはスマートキーとして機能させるモードがあるらしいのですが、日本仕様ではカードキーモードでのみしか使えません。
それは仕方ないとして、注意したいのはキー挿入の向きです。実は、無理に入れようとすれば、逆方向にも入ってしまうんだそうです。それでそのとき、無理に引き出そうとして、エマージェンシー用の物理キーが中に残ってしまうと、インパネすべてをバラさなければならないそうなので、暗いときなど要注意なのです。キー向きがわかるようなストラップなどの装着をおススメします。
キーを挿し込み、ブレーキなどを踏まずともスタートボタンプッシュでエンジンは始動します。ここで井上さん、「慣らし運転はどうやら300Orpm以下で1500kmほど走るのが後々良さそうです」と。取り説では、『3500rpm以下で1000km」と香いてありますから、それより少し厳しい数値。たった50Orpm、500kmの違いですが、そこは新車を買わなきゃ味わえない楽しみが増えたと思って辛抱しましょう。
軽量なA110のボディは96%がアルミ、残り4%が脂とされていますが、ラゲッジスペースとなるフロント、リヤともにリッドもアルミ製です。この柔らかいアルミのリッドを閉める時が要注意なのです。取り説に、その具体的な閉め方の方法は書かれていません。ここで、井上氏から教わったのが、手のひらをグーにして静かに押さえていくことです。指で押してしまうと部分的にカが加わることがあるためおススメできないのだそうです。また、手汗は内側にかくものです。手の外側には皮脂や手アカも少なく、汚れを残すことが少ないメリットもあるわけです。具体的には、指でフード側のラッチ金具を引いて下げます。ダンパーの力が働かないところまで下げたら、グーパンチの要領で中央の膨らみ部分にゆっくりと押し付けます。このとき、勢いをつけたり叩くようにやってしまうとボンネットも自分も凹んじゃうので注意しましょう。
フューエルリッドはロック解錠時にはプッシュで開くようになっていますが、たまに解錠されなくなることもあるのだとか…・・・・・。そんなとき、リモコンキーでロック/アンロックを繰り返しながら、リッド部分を何度か押してみると開くこともあるのだそうです。開かないときは、試してみて下さい。
A110のウインドウウォッシャー液は、ワイパーブレードに沿って出てくるタイプ。ウォッシャー液が節約でき、ウォッシャー液タンクを約1.5Lと小さくでき、軽量化になります。そのため小さなタンクへの液補充の際はこぼしてしまわないよう注意が必要です。
またワイパーブレードは専用タイプになっていて、1本が約2万円とかなり高価な純正部品となっているんだそうです。フロントガラスコーティングなどを併用して、なるべく負担をかけず劣化させないのもアリかもしれません。
フロントガラス中央に線のように見えるのは、ラジオのフィルムアンテナ。たまにフロントガラスにヒビが入ったのでは?と勘違いする人もいるそうですが、ご安心下さい。
リヤハッチガラスは、トランクルーム内の固定ボルトで止まっていて、これを手で回し外せば、持ち上がります。その下にあるのはエンジンカバーで、意外と耐水性があるそうです。けれど、実際にお手入れの際は慎重になさってください。
ひと通りの日常使いでの注意点をお聞きして、いざディーラーを出発です。
ところで、納車当日はなんとフォーミュラEの開催期間のため、お台場方面に向かうディーラー前の道路は封鎖中で一般車両は入れません。
左に出ればお台場方面でレース会場となるため、一方通行を右に出ていくしかありません。初めての愛車での公道走行は右側通行になってしまったという、左ハンドルにしてて良かったというオマケ付きでした。
(小林和久)
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