インポーターのルノー・ジャポンとユーザーの強力接点
ルノー・カングーがわんさか集まるカングージャンボリー2024が10月27日に開催されました。
昨年はすべての地面がぬかるんでいるような雨模様でしたが、今年はまずまずのお天気。街なかに比べるとちょっと肌寒い、紅葉も始まっている山中湖畔「山中湖交流プラザきらら」での開催です。
駐車券有料(1000円/1台)、入場無料のカングージャンボリーは、一昨年の2022年では、新型カングーの日本初披露の場所とするなど、インポーターのルノー・ジャポンも力を入れてファンとのコミュニケーションを図り、言い方を選ばなければ「囲い込み」を頑張っています。
従来、自動車メーカーやインポーターは、エンドユーザーとの接点がなく、販売会社にその役割を任せるというか、それをやると越境行為のようになってしまうため、及び腰だったように思いますが、ここ最近は、国産各メーカーもインポーターも、ファンイベントを積極的にやってくるようになりました。作っている、或いは輸入している会社がファンを育てて大事にするのは正常進化な気がしますが、もともとその辺は媒体社が担ってきた部分でもあり、メディアそのものも含め、オウンドの影響力が出版社へ及んできてしまっているように見るのは考えすぎでしょうか?
ディーゼルMTの2色のクルール
そんなファンとの交流を大事にするイベントのカングージャンボリー2024では、現行カングーのディーゼル+マニュアルミッションの限定車「ルノー カングー クルール ディーゼル MT」をお披露目、購入申込受付となりました。
クルールはフランス語で色を意味し、ボディカラーにはベージュまたはグレーの2色を用意しています。この2つのカラーは、「フランス、アフリカ、中東の文化が交わるサハラ砂漠の昼と夜の風景をイメージした」のだそうです。
会場にてお披露目されたのはベージュのみで、「Beige Sahara(ベージュサハラ)」と言ってサハラ砂漠の砂の色を表しています。この手のフルゴネットにはお仕事車ではなく、レジャーユースメインとして個人が使う場合、こういったアースカラーでないとちょっと商用車っぽくなったり、もしくは国産ミニバンとおんなじように見られるのを避けるのに、良いカラーだと思います。まぁ僕が乗ってるベルランドと似ているカラーではありますが、汚れが目立たなくとても助かっています。
もう一方のグレーのほうは、砂漠の夜空にカシオペア座が輝いてるという意味で「Gris Cassiopée(グリカシオペM)」なのですが、こちらはシックで高級感を求めるには良い選択となるのではないでしょうか。こちらはメタリックですので、ベージュサハラのソリッドと同じ価格399万円(税込み)ならお得と考えることもできなくはありませんね。
余談ですが、バイクってソリッドだろうがメタリックだろうがツートンだろうが、おおよそ価格設定は同じですよね。昔からの風習で値段差をつけることがやりづらいんだそうです。
MTを選ぶ際、最もネットの部分は渋滞が億劫だなぁと言う点かと思いますが、ディーゼルの場合企業に演技とシビック非常にエンストしにくくなっているはずですので、その点かなり安心して選ぶことができるでしょう。燃費を狙った選択にしても実用的にはやっぱりマニュアルの方が良いシーンが多いのではないでしょうか。
カングーの場合、これまでMTモデルを時々台数限定で売ったりしてきましたが、おおよそ即完売となっています。MT需要と言うのは車種ジャンルなどによるかもしれませんが、ある一定あると思われるのに、多くの国産メーカーは軒並みラインナップしなくなりました。例えば1割位の需要じゃラインナップできないと言う基準とか、商習慣を覆すことができればユーザにとって選択範囲が広まって良いと思うのですが。作り手、売り手の正義に欠けると思うのです。
ちなみにカングーの中古車で見てみると、2024年10月28日現在でカーセンサーに425台掲載されているうち、MTは81台なので、19.1%なのでおよそ2割もありました(手放した、売れない、ってこと?)。前回のディーゼルMTの限定車のある2021年式を見てみると、MTが300〜400万円、ATが250〜300万円程度の相場感です。リセールもいいと思われます。
けど、このセンターキャップはどうなんでしょう。4つで4万円くらいします。新車を買う時の金銭感覚だと安いもんだと思いそうですが、普段スーパーで買い物しているときとかに考えると、真ん中のキャップだけでそれは買えねぇ…となりそうです。
関係ないですが、マツダ6はつい先日販売を終了しました。ところがその直前にカムリも販売を中止していたため、マツダ6の終了間際、非常に企業等お偉い産業社有車として実はかなり売れてたとか。マツダもったいない! いずれにしてもすべての車種メーカーがたくさん売れるところを狙っていかなかったっていいんじゃないでしょうかね。
クルールは、140台の限定(各色70台)で、11月10日までの申込期間で予定台数を超えると抽選となります。
6輪販売のカングー登場か?
しかし、さらに注目したのはこの白い参考出品車。こちら、6輪で販売される模様。なんと、自転車とセットで販売されるカングーなのです。
そのカラーリングは完璧にカングーと同色に塗装された折りたたみ自転車とともに所有できる満足感はかなり大きいでしょう。
いまのところ、ホワイトとイエローでの展開が予定されているそうです。
さらに、足元にはOZのホイール、乗り心地を上質にするCOXボディダンパー(下記参照)なども装備されるスポーツマインド全部載せのモデルとなりそう。なんだか羨ましいセット販売ですね。
お楽しみマルシェと用品出展も注目!
さて、カングージャンボリーは、フリーマーケット「マルシェ」がお楽しみに来場するお客さんも多いでしょう。手作りのアイテムから不要になったものなど売っているその中で目を引いたのが「星の王子さま専門の移動書店」です。
聖書の次に多くの言語で出版されていると言われる星の王子様の様々な書籍、その他関連本やグッズなどを販売してました。なんでも、2023年に残念ながら閉館した星の王子さまミュージアムにあったものを有志が受け継いだのだとか。
出版や書店がたいゆかなくなるニュースを時々耳にしますが、こういったジャンルを絞り込んだ書店が、移動して全国を回るというのはなかなか良いアイデアだなと思います。書店はなんとしても、文化として残すべきと考えます。
それから、用品系の出展で気になったのがカングージャンボリー限定のパトリック。同モデルの通常販売価格16500円が15000円(税・送料込み)とお買い得に! ブルーアルピーヌ乗りとしてとしてぜひとも欲しかったんですが、今月この撮影に使っているiPhone16Pro MAXとか買ってしまったので、泣く泣く我慢しました。
また、このところ非常に注目しているヤマハパフォーマンスダンパーもカングー用にCOX ボディダンパーとしてリリースされております。乗り心地のいいカングーですが、これでさらにボディの揺れが軽減され、上質な乗り味になることは間違いないでしょう。特に、車酔いしがちなお子さんを乗せるかたなどにはオススメです。
日本では独特のファンを獲得し、フルゴネットを個人がおしゃれに使うというジャパンガラパゴスながら一大自動車ジャンル確立してしまったと言ってもいいカングーですが、その後ベルランゴを始めとするライバルも台数を増やしてきています。
会場で感じるのは、ユーザーさんたちが自動車マニアとして集まっているのではないということ。なんとなく楽しそうで、車はなくてはならないけど、絶対的な主役ではない。そんな独特な自動車ミーティングがカングージャンボリーなのです。これからの車好きを見に来るだけでも価値があるイベントと言えそうです。
(文・写真:小林和久)
カングークルールについて詳しくはこちら https://www.renault.jp/car_lineup/kangoo/couleur/index.html
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