新車投入、10時間を超える佐藤万璃音のドライブに大きな期待
FIA世界耐久選手権シリーズ(WEC)にUNITED AUTOSPORTS & McLarenから佐藤万璃音(横浜市出身・25歳)が2025年度もフル参戦しております。開幕戦では幸先の良いポールポジションを獲得いたしましたが、第2戦イタリア、イモラでは2ポイント加算の9位完走。続く第3戦はもらい事故でリタイアに終わりました。そして迎えた第4戦、栄光のル・マンは、6月14-~15日に「第93回ル。マン24時間レース」としてフランス、ル・マンのサルト・サーキット(正式名称:ル・マン24時間サーキット)で開催されました。
前回ベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキットで開催された第3戦で車両に大きなダメージを負った#95号車でしたが、当初の予定どおりル・マン24時間にはテストデーから新車を投入。シェイクダウンから初期トラブルを補修しながらセットアップを進め、ブロンズドライバーの走行時間を重視するため100%の満足とはいかないものの、ゴールドドライバーの佐藤万璃音が短いドライビング時間の中で順調に予選に向けてマシンを仕上げていきました。
今回のル・マンから予選方式が改められ、『予選』『ハイパーポール1』『ハイパーポール2』という3セッションのノックダウン方式が採用されました。
30分間の予選ではブロンズドライバーのダレン・ラーン選手が上位12台で争われるハイパーポール1への進出を決め、シルバードライバーのショーン・ゲラエル選手も20分間のハイパーポール1をギリギリ8番手で通過。佐藤万璃音がステアリングを握り、15分間で争われるハイパーポール2では、ラストアタックで7番手グリッドをゲット。ライバルに比べてストレート速度が遅いハンディを見事にドライビングでカバーした佐藤万璃音はピットのスタッフ全員に拍手で迎えられました。
6月14日、午後4時のスタートは、ダレン・ラーン選手がステアリングを握り、長い戦いが開始されました。#95号車は、ブロンズドライバーの義務走行時間をできる限り早く消化し、レース後半をショーン・ゲラエル選手と佐藤万璃音で攻め続けるという戦略を予定しており、佐藤万璃音のドライビングタイムは合計10時間を超える予定と、佐藤万璃音はチームからかなり大きな期待を寄せられてのスタートとなりました。
レースはブロンズ、シルバー、ゴールドのドライバーがスタートから混在するため、24台中7番手スタートのダレン・ラーン選手は、一時は22番手までドロップしましたが、4スティントの連続走行ということで次第に冷静さを取り戻してポジションアップ。佐藤万璃音に交代し、2スティント、1時間30分ほどで8番手までポジションアップ。続いてショーン・ゲラエル選手が1スティントを走り、再びダレン・ラーン選手に交代。しかし、数周した段階で第2シケイン通過後に駆動系にトラブルが発生してマシンが突然ストップ。残念ながらスタートから約6時間の段階でそのままリタイアとなってしまいました。
■95号車ドライバー、佐藤万璃音のコメント
「昨年のル・マン24時間では19時間でリタイア、今年は6時間でリタイアですから、やっぱり悔しいですね。今回は予定どおりテストデーから新車を投入したのですが、ブロンズドライバーのダレン・ラーン選手の走行時間を優先しながら、本当に限られた周回数でセットアップを出すのが僕の仕事でした。
去年も僕たちのマシンはストレートが遅く、それに対していろいろと研究し、対策を施してきたのでシミュレーションではいい感じだったのですが、実際にはリヤのグリップ不足で安定感がやや欠けていたと思います。それでもできる限りの良い仕事をしたと思いますし、ハイパーポール2での7番手は、現状のマシンではベストの結果だと思います。
今回、決勝レースに向けて僕たちの戦略は、ブロンズドライバーのダレン・ラーン選手がスタートから4スティントを走り、夜中の2時くらいまでに全ての義務走行時間を終えて、残りは僕とショーン・ゲラエル選手で追い上げるというアグレッシブな戦略でした。
でも残念ながらショーン・ゲラエル選手と僕が1スティイトずつをこなし、ダレン・ラーン選手が再度コースインした段階で、マシンが突然止まってしまいました。とにかくガレージまで戻そうといろいろ頑張って作業はしたのですが、動きませんでした。ただし、もしトラブルが無かったとしても、自分たちのペースはトップを争うライバルたちに比べると少し足りなかったと思います。もう1台のマクラーレンも残り1時間で電気系トラブルによってリタイアでしたから、チームにとっては厳しい結果となったル・マンでした。
次のブラジル戦は、昨年、初表彰台を獲得したサーキットですし、気持ちを入れ替えて富士のWEC線を見越して精一杯頑張ります。応援ありがとうございました」
(有限会社ランブラス)
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