マツダの新東京オフィス「MRT(マツダR&D東京)」は前澤さんも居住する麻布台ヒルズの快適空間で新たな人材を確保する…そこで僕の就職を振り返ってみた

就職について改めて考えてみた

マツダが新しい東京のオフィス「MRT(マツダR&D東京)」を解説し新たの人材を確保する戦略だとのことで、お披露目会に行ってきました。

東京ど真ん中の最新注目スポットでもある麻布台ヒルズにそびえ立つ麻布台ヒルズ森JPタワーの44階にそのオフィスはあります。

ビル全体の高さは330mなので、東京タワーとほぼ同じ高さ。44階は、東京タワーの特別展望室よりも目線が高かったです。

それにしても、世の中、仕事が無いと言っている人と、人材不足だと言っている企業が、同時に存在するのはナゼなんでしょう?

仕事が無いと言う人は、何でもいいけど仕事がないわけではなく、やりたい職業の仕事が無い、欲しい給料の仕事が無い、働きたい環境の仕事が無い、と言ったところでしょうか。

人材不足だという企業は、これから伸ばしていきたい分野をやる人材が少ない、我が社の給与規定で働いてくれる人がいない、現在の環境を受け入れて働いてくれる人が集まらない、などが原因でしょうか。

「じゃあお前はどうだったんだ?」といえば、思い起こせばもう40年くらい前、バブル絶頂期に就活した僕は、将来のことやこれからやることを真面目に深く考えることもなく、大好きなクルマに少しでも近づけるよう滋賀県彦根市にある大手シートベルト・エアバッグメーカーの教授推薦をいただき、会社訪問と言う名の、事実上の入社確認の顔合わせに向かいました。今はどうだかわかりませんが、当時の理系の教授推薦というのは、余程のことがない限り、その後に入社お断り、入社しませんってことは現実にはお互いにあり得ない、という前提でした。

県庁所在地としてはとても小さな駅に降り、その本社へ向かいます。

本社には、創業者と思われる銅像が建っていたのを覚えています。

カタチばかりのペーパーテストを受け、シートベルトの工場を見せていただきました。色の付いた大きな樽からシートベルトになる帯が連続して出てきていました。工場内はむせ返るような熱気と臭いと大きな騒音で、僕はぼんやりと「ここで働くのは大変だなぁ」と感じたのを記憶してます。

会社訪問を終え、その日は彦根のビジネスホテルへチェックイン。夕飯は駅前でなにかいただこうと思いましたが、食べログもGoogleマップもない時代です。フロントで、近くに居酒屋などないか、お聞きすると、「2軒ございます。1軒は村さ来、もう1軒は地元の居酒屋です」との答。同じ地方の県庁所在地に生まれて育ち、中洲だ天神だ親不孝通りだと遊んでた僕は、県庁所在地の駅前商店街に居酒屋が2軒というのは少ないもんだなと思いました。

チェーン店に入るはずなく、地元の居酒屋のカウンター席で意気投合した電機系メーカーにお勤めの出張サラリーマンお二人と、そのお店のマスターとともに、今度は地元のスナックに連れて行ってくださいました。

カラオケを歌いながら、サラリーマン生活のいろいろをお聞きし、ママさんに車でホテルまで送っていただき、何事も起こることなく一人で自室に到着。なにかこのままではいけないという思いだけが頭に残りつつ、ベッドに身を投げ、撃沈しました。

翌朝、二日酔い気味の頭で考えてみると、シートベルト会社は繊維織物工業であって、たまたまそこの製品が自動車に取り付けられているだけであり、自動車業界ではないんだと感じたと整理できた気がします。

そんなことを考えながら新幹線で地元まで戻り、大学の研究室で教授に「あの会社には行きません」と告げると、先生は激怒!「もう、お前のことは知らんから、勝手にやれ」と突き放されます。

就活の仕方もわからず、働くのはやだなとか思い、フラフラしてるのを見かねた両親により、強めのコネを使って車とはぜんぜん違う地元の大手一部上場企業に入社しました。

4ヶ月もの研修の後、島を除いた日本の西の端に作っていた巨大テーマパーク建設現場へ配属となりました。

AIによるテーマパークのイメージ

そこでも楽しくやっていましたが、社会に出ると理系文系は関係ないことに気付き、やっぱり車に関わりたく、自動車雑誌出版社の入社試験に合格、上京し、30数年在籍することになりました。

と、自分史を書いてしまいましたが、何がいいたいかと言うと、もし教授推薦を受けて面接に行った会社がMRTだったら、なにがあっても「ここで働きたい!」と思ったはずです。まあまあいろんな発表会会場や、大手企業の高層ビルにも行ったことがありますが、水平目線で東京タワーの特別展望台より上、六本木ヒルズの屋上と同じくらいなんてオフィスは初めてでした。遥か低くにレインボーブリッジ全体が見えます。フジテレビの球体がどこかに挟まったパチンコ玉のように見えます。

それだけではありません。オフィス内がきれいなのはもちろんですが、何やらうっすらと香りがします。新しい高級木造建築みたいだなと思って「檜(ヒノキ)みたいな匂いがしますね」と広報田中氏にお聞きすれば、「わかりますか、この香りもデザイン部が決めた匂いなんですよ」と教えてくれました。普段芳香剤は嫌いな僕も、これならアリだなと思いました。新築特有の乾ききらないアルデヒト系の臭いより余程いいですね。

さて、このマツダの素敵なオフィスでどんな人に働いてほしいのかと言えば、まずはソフトウェアの開発者なのだそうです。
考えてみれば、自動車が機械だけで動いていたのは遥か遠く昔の話。僕が免許取得して初めて買った10年落ちの中古車51年式カローラレビンにさえ、EFIが付いていましたので、ソフトは入っていたはずです。速くなかったですが…。

それに比べ、今ではソフトなしに車はできない、動かないのは明らかで、単に動かすだけでなく、安全に走行させたり、排ガスをきれいにしたかったり、快適に車内で過ごしたかったりするのにもソフトはぜったい必要で、その開発競争はハードウェアより速く激しく戦っているとのこと。

そして、ソフトウェアに関する人材は、自動車メーカーに限らず必要とされるため、多くの会社が集まっている東京近郊に多く存在しているそうで、そのような人に「今度広島の会社に転職しませんか?」といった時のハードルは格段に下げることが可能なわけです。もちろん、首都圏には各地から学生が集まってくる大学も日本一存在するのです。

「住めば都」という言葉がありますし、広島を始め、日本の各地は住めばとてもいい場所ばかりだと思います。けれど、裏返して考えれば。「住まなければ都とは思えない」と言えるかも知れません。子育てを終えたり、真っ只中だったりする人たちが、「地方も良いぞ」と言っても、その状況にない若い人にはなかなか響かないと思います。

お披露目会では、実際にキャリア入社で半導体業界、ゲーム業界からマツダに転職したお二人がスピーチしてました。

お二人共、この環境には満足している様子でした。

マツダは毛籠社長が就任してこのMRTやトランス青山といった一見するとバブリーな展開も見られますが、その反面、絶対に必要なコスト以外はカットする動きもあるようです。派手なことをやっているようにも見えますが、これからのマツダを維持、発展させるための人材を確保するのに、絶対必要なこととして絞り込んでいるようにも見えます。

欧州や北米など様々な地域で手腕を発揮してきた毛籠社長のこの判断は、数年後も魅力的なマツダ車とマツダ社員に出会えるだろうとの期待が高まりました。

ところで、麻布台ヒルズは、すでに観光スポットにもなっており、インバウンド効果を存分に発揮していました。

日本のアニメを作ったという高畑勲展では、1972年の懐かしいアニメ「パンダコパンダ」のパパンダに飛び載って、俯瞰から写真を撮ってくれるサービスがあったので早速やってみました。

ちょっと顔を横に向けたほうが良かったですかね。

また、チームラボのミュージアムもあります。

遊びに行くのもいいかも知れませんよ。

で、森JPタワーのマツダオフィスは44階ですが、54〜64階はアマンレジデンス東京という集合住宅となっています。最上階のオーナーはあの前澤友作さんで、販売価格は200億円だったとか、総額で300億円だとかの噂があります。

どんなところか気になるかたは、以下に御本人の動画ありますので御覧ください。5億円のソファーとか、ピカソの絵とか、ジムとかプールとかサウナとかがあるようです。自宅でパーマもアテてましたよ。

車好きで知られる前澤さんに、ご近所に引っ越してきた御縁でICONIC SP前澤バージョンを作る代わりにスポーツカー開発資金を出していただく…とかできませんかね?

(小林和久)

 

 

 

 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

3D撮影サービス

最近の記事

  1. マツダの新東京オフィス「MRT(マツダR&D東京)」は前澤さんも居住する麻布台ヒルズの快適空間で新たな人材を確保する…そこで僕の就職を振り返ってみた

  2. アルピーヌ最初のモデルはA110にあらず。A110Rの70周年記念限定車、日本での価格は1850万円と発表

  3. ヤマハレストア工場には無かった…汚れた英雄「主演」のTZ500は今どこに?

  4. 車の本革シートもバッグも靴も、革製品は食肉用の牛さんから作られるサスティナブルな素材です

  5. ヤマハもヤマハを応援! 1955年7月1日生まれのヤマハ発動機が70周年を迎えました

  6. 小林彰太郎さんってどんな人? 山口京一×加藤哲也、鈴木脩己、夢の共演で語ってくれました

  7. 1990年のバブル絶頂期、ヤマハミュージックとヤマハ発動機がマリンオーディオでコラボした製品があった

  8. 59歳の新入生。還暦までに大型バイクに乗りたい! 60歳前後の大型二輪免許取得のコツは? 料金は? 時間は?

  9. 今度のワーゲンバスはバズるか? VW ID.Buzz(フォルクスワーゲン アイディー・バズ)ついに日本で発売

  10. ヤマハ発動機がレーシングカート事業から撤退し、ロボティクス事業に注力

Content contributor

TOP