イモラは佐藤万璃音にとってテクニカルで攻めがいがあるホームコース
2023 年シーズンよりヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)に挑戦を始した佐藤万璃音(UNITED AUTOSPORTS USA 所属 25 歳)が、7月5日~6 日にイタリア、イモラ・サーキットで開催された 2025 年 ELMS第3戦「4 HOURS OF IMOLA」に参戦。今年から自身のキャリアでは初めてとなる LMP2・PRO/AM(プロ・アマ)クラスに挑戦しております。ゴールドドライバーである佐藤万璃音がリーダーを務め、ブロンズドライバ ーのダニエル・シュナイダー選手、プラチナライバーのオリバー・ジャービス選手と共に、21号車での参戦です。
イタリアのレースフィールドで育った佐藤万璃音にとって、イモラはいわばホームコース。オールドサーキットと呼ばれる伝統あるサーキットはテクニカルで攻めがいがあるサーキットです。
いつものように、ブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手の走行時間を優先しつつ、短期間にマシンを仕上げていく佐藤万璃音は、すでにUNITED AUTOSPORTS全体のリーダーとしての地位と信頼を築きつつあります。
今回はマシンの仕上がりも順調で、佐藤万璃音のデータを参照しながらドライビングのブラッシュアップを続けるダニエル・シュナイダー選手も好タイムをマークしつつあり、いつもどおり安定したドライビングを見せるオリバー・ジャービス選手とともにチーム全体が勝利の権利があるレースだと確信しつつ、土曜日の予選を迎えました。
予選ではダニエル・シュナイダー選手が6周目のアタックで1分55秒144をマークし7番手を確保。タイム的には同じブロンズドライバーのトップとは7秒6の差がありましたが、セッション直前の雨でコンディションが難しくなった状況の中では、ある程度満足できる結果でした。
プロドライバークラスのポールタイムは1分37秒919であり、スタート直後は、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの選手が同時にポジションを争う難しいレースです。それでもチームは戦略的にポジティブなムードの中、4時間レースの決勝スタートを迎えました。
スタートドライバーのダニエル・シュナイダー選手はクラストップ争いができるほどの速さは無いものの、抜かれるほどではないペースで周回を重ねます。このペースで走行できれば、ピット戦略次第では勝てるレース展開も見える状況となっていました。
しかしスタート後1時間ほどで多重クラッシュのため赤旗が出され、レースは20分間の中断。その後もバーチャルセーフティカー(VSC)や、3度のフルコースイエロー(FCY)が出される荒れた展開となりました。
21号車は3ストップでトップに立てるタイミングでしたが、右側2輪交換でピットアウトしようとした際の作業に手間取り、セーフティカーの前に出る予定が、逆にセーフティカーが先に前に出てしまい、ピット出口で全車を待たねばならなくなってしまいました。
その後もすべてのタイミングが噛み合わず、FCYやSCによって給油タイミングがズレてしまい、エマージェンシーピット作業でスプラッシュ給油も2回強いられる状況となってしまいました。
レースは4時間を終えたところでチェッカー。21号車はそれでもクラス6位に踏みとどまり、ポイントを加算することができました。
■21号車ドライバー、佐藤万璃音のコメント
「勝てるレースだと思っていましたが、本当にこれでもかというくらい、いろいろ不運なタイミングに翻弄されたレースでした。ペースがあってもダメな時はダメなのだと思い知らされたというか、運が大切な要素だと思い知らされたレースでした。
絶妙なタイミングでピットに入ってと思った時に、タイヤ交換作業に時間がかかってしまい、セーフティカーの前でピットアウトする予定だったにもかかわらず、ピットアウトの寸前にセーフティカーが通過してしまい、ピットアウトできない状況になってしまいました。それで実質的にラップダウンとなってしまい、勝機を逃してしまいました。とにかくすべてが噛み合わなかったレースでした。
しかし、自分たちの速さは問題ないのはわかっているので、次のレースでは必ず表彰台に乗れるように頑張りたいと思います」
(ランブラス)
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