先祖が1980年に登場したのにちなんで1980台の限定販売
1980年、WRC世界ラリー選手権を目指し、大衆車のルノー5(サンク)のリヤシートにターボエンジンをある意味無理やり突っ込んで登場したのが伝説的なルノー5ターボです。
そのエンジンレイアウトもさることながら、特にリヤのブリスター形状のオーバーフェンダーがまだ免許も持っていない僕らの心までも「只者じゃね〜な!」感をプンプンと放ち、車へのワクワクを大きくしてくれた印象的な車両でした。
ミッドシップとするため室内に縦置きに搭載された1.4リッター直列4気筒ターボエンジンは160psを発生し、空力がいいとは思えないボディで最高速度は200km/hまで引っ張り、0-400m加速は15秒台となっていました。足まわりはダブルウィッシュボーンの4輪独立とし、ルーフやドアをアルミ、ボンネットやフェンダーなどは樹脂製としてその車重は910kgに収まっていました。
さらに特徴的なのが、WRCで戦うためにホモロゲ台数クリアすべく作られたにもかかわらず、その内装はイタリアの有名デザイナーであるマリオ・ベリーニが手掛けた本革をふんだんに使ったお洒落なもの。案の定、後継モデルとなるターボ2は通常の5と共通する内装となり、コストダウンが図られました。
後輪インホイールモーターでドリフト制御も装備
その5ターボを電動車両で現代に蘇らせた「ルノー 5 ターボ 3E」が発表されました。5ターボ1、5ターボ2に続く5ターボ3で電動化のEが付いたのでしょう。
5 ターボ 3Eには、トータル540ps、4800Nmのトルクを発揮する2基のインホイールモーターはリアに配置され、専用のドリフトアシスト機能や縦型ハンドブレーキを備え、ドリフトも楽しめと言います。全長はわずか4メートルで、新たなカテゴリー「ミニスーパーカー」だと本国のリリースには記載されています。
70kWhのバッテリーを搭載し、800ボルトアーキテクチャを採用することで充電性能を最大限効率化し、350kWのDC急速充電により、15分でバッテリー残量15%から80%まで充電可能。実現カーボン製ボディ構造で軽量化が図られ、0-100km/h加速3.5秒以下、最高速度は270km/h(サーキット仕様)と、WLTP基準で400km以上の航続距離を実現するそうです。
2027年からその先祖の生まれ年にちなんだ1980台の限定台数で、ヨーロッパ、中東、日本、オーストラリアなどで販売されるとアナウンスされています。
欧州でも電動車両の頭打ちが叫ばれる中、こういった特殊で特化した用途、スペシャルなモデルで電動化していくのは、先進的な試みが好きな人達への興味関心も満足してアリかも知れませんね。アルピーヌと協力して作られたというから、ドライビングが楽しくないはずありません。乗ってみたい一台ですね。
- ルノー 5 ターボ 3E
- ルノー 5 ターボ 3E
- ルノー 5 ターボ 3E
- ルノー 5 ターボ 3E
- ルノー 5 ターボ 3E
- ルノー 5 ターボ 3E
(小林和久)
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